認知症は、正常だった脳の機能が、何らかの障害によって継続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態のことを指します。
認知症は、ひとつの病気の名称ではありません。原因になる病気によって色々な種類があります。日本では、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)が四大認知症と呼ばれています。中でも最も多いのが、アルツハイマー型認知症です。
また、認知症は65歳以上の10人に1人、85歳以上では4人に1人かかる、ありふれた疾患です。生きていれば誰でも当事者として、あるいは介護者として、認知症と関わります。今のうちから認知症の知識をしっかり身につけておきましょう。
物忘れと認知症の違いは?
年齡を重ねるにつれて、人や物の名前が思い出せなくなったり、忘れっぽくなるのは誰しも経験すること。しかし、「認知症の記憶障害」と「加齢による物忘れ」は全く別物です。このふたつは、一見するとよく似ているため混同されやすいのです。まずは両者の違いを知っておきましょう。
種別 | 物忘れ | 認知症 |
---|---|---|
原因 | 加齢による脳細胞の機能低下 | 脳細胞の死滅により脳が萎縮する |
記憶 | 体験したことの一部を忘れる (きっかけがあれば思い出せる) |
体験した事実自体を忘れる (完全に記憶が抜けている) |
具体例 | 昨日の夜ごはんのメニューを思い出せない | 昨日の夜ごはんを食べたかどうか思い出せない |
生活への支障 | とくに支障なし | 支障あり |
進行性 | 進行しない | 進行する |
自覚症状 | 物忘れの自覚あり | 物忘れの自覚なし |
身体機能への影響 | 記憶力は低下 | 記憶力の低下とともに、判断力や時間間隔も低下 |
認知症は私達の身近にある、ありふれたもの
2015年1月に厚生労働省は、2025年には認知症の高齢者は700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症になると発表しました。
つまり、65歳以上の3人に1人が認知症当事者と認知症予備軍になると予測されています。年を重ねれば、誰がいつなってもおかしくない、とても身近なものということが分かります。
認知症にはさまざまな種類があります。その中でも半数を占めているのがアルツハイマー型認知症です。続いて、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と続きます。また、最近では、「認知症とまではいかないが、健常でもない」というグレーゾーンの状態を指すMCIも増加傾向にあります。
認知症について詳しく知る
まず、アルツハイマー型認知症を思い浮かべる方が多いですが、認知症の種類によって症状や治療方法が異なります。それぞれの種類に適した治療を行っていきましょう。
種類・症状・注意点について知る
治療について知る
若年性認知症について知る
認知症と健常の中間「MCI」について知る
正常レベルと発病までの中間的な時期を「軽度認知障害(MCI)」と言い、認知機能の一部に問題はあるものの、日常生活には支障がない状態を指します。この段階で適切な治療を受ければ、認知機能の低下を遅らせ、発病を延ばすこともできるといわれています。
MCI(軽度認知障害)について詳しく知りたい方はこちら