レビー小体型認知症の基礎知識

レビー小体型認知症は、レビー小体という神経細胞にできる特殊なたんぱく質がたまることで起こります。アセチルコリンとドパミンの2種類の神経伝達物質が脳内で低下していることが特徴で、認知機能の低下、パーキンソニズム(歩行障害)、うつ状態の3つを引き起こします。発症率は男性の方が高く、女性の2倍と言われています。

レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症は、レビー小体という神経細胞にできる特殊なたんぱく質がたまることで起こります。なぜレビー小体が蓄積するのかは、はっきりと解明されていません。

レビー小体とは、パーキンソン病でもみられる異常タンパク質です。1976年に日本の小阪憲司氏が歩行障害などのパーキンソン病の主症状と認知症を合併する症例で、レビー小体が出現していることを発表し、国際的な診断基準が確立されました。

レビー小体の主成分は、αシヌクレインというタンパク質で、神経細胞を死滅させる毒性を持っています。αシヌクレインとアルツハイマー型認知症で蓄積するアミロイドβは関連性があるといわれています。加齢に伴って発生したアミロイドβなどがレビー小体の出現を促すと考えられています。

レビー小体型認知症の症状

最初からすべての症状が出るわけではありません。数年間はパーキンソン症状しかみられず、やがて認知機能の低下が加わることもあります。典型的な症状が揃いにくいため、最初に出た症状から、「パーキンソン病」や「うつ病」と誤診されることも多くあります

幻覚・幻視
  • 実際にはいない虫や小動物、子供などが部屋にいると訴える
  • 見知たことがない営業マンが家に来たという
  • 身体の異常
  • 常に左右のどちらかに傾いている
  • 腕が前で固まったりする
  • 意識消失発作
  • 意識が遠のき、うとうとする
  • 表情が暗い目の焦点が合わない
  • 薬剤過敏性
  • 市販の薬が効き過ぎて寝込む
  • 薬の副作用が出やすい
  • レム睡眠行動障害
  • 夜中の寝言が大きい
  • 寝てるかと思ったら急に奇声を発する
  • 嚥下障害
  • 食べることができたりできなかったり、日内変動がある
  • 食事中にむせやすくなる
  • うつ状態
  • 食欲がなくなる
  • 目に力がなく、表情が暗くなる
  • 接し方のポイント

    • 幻視を否定しない
    • ご本人に見えているものや訴える症状をしっかり聞く
    • 返事や動作を急かさない
    • 睡眠中の転落に注意する(ベッドの下にクッションを敷く、柵をつける等)
    • 日中の転倒にも注意する(移動は付き添う、杖を使ってもらう等)
    • 一般の風邪薬などでも、薬の服用時には最新の注意を払う

    レビー小体型認知症と診断された樋口直美さんのインタビュー記事

    薬の副作用が強く出る薬剤過敏性に要注意

    特に注意しなければいけないのが「薬剤過敏性」です。薬剤への感度が高いため、認知機能を改善させようとアリセプトを通常量使うと歩行できなくなり、歩行を改善しようとパーキンソン病治療薬を使うと幻視が強くなり、うつ状態を改善しようと抗うつ剤を使うと認知機能が悪化する…という特徴を持ちます。

    薬の副作用リスクが高いですが、悲観することはありません。薬に弱いということは、少しの薬で劇的に症状が改善するということでもあります。適切な薬の処方を行うことができれば、「治しやすい」とも言えるのです。コウノメソッドでは、レビー小体型認知症が疑われる場合は、薬剤の量を常識の1/3以下に抑えて処方して様子をみます。

    「隠れレビー」にも要注意

    診断が難しいもう一つの理由として、別の病気から移行してくる点があります。

    初診時にはアルツハイマー型認知症だった人が、数年後にレビー小体型認知症になっていることがあります。これは、東京都精神医学総合研究所の秋山治彦氏の仮説によると、レビー小体は封入体の一種で、脳内にできた老人斑を封じ込めたものだということです。すると、一部のアルツハイマー型認知症は、レビー小体型認知症に変わることになります。

    つまり、アルツハイマー型認知症の影に隠れて見逃される「隠れレビー」の可能性もあり、これに気づかないことで治療による悪化を最も招きやすくするのです。このように、いまだ解明されていないことが多いレビー小体型認知症と対峙するには、医師の力量が試されます。

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