親を怒らせずにエンディングノートを書いてもらう4つのコツ

by 森田 大理森田 大理 3764views

もしもの時に備えて様々な事柄を記録しておける、エンディングノート。自分自身のことを書き留めておきたいという人はもちろん、「親に書いてほしい」と考えている人も多いようです。子どもの立場からすれば、自分よりも親世代の方が、“もしも”の時期が早い(確率が高い)のは必然。何か起きた時には、その対応をする当事者になるのですから、後で困らないように残しておいてほしいという気持ちは、ごく自然なことだと思います。

でも、実際にエンディングノートを書いてもらうのは至難の業。一方的に伝えると「縁起でもない!」「早く死ねというのか!」「財産目当て?」と気分を害してしまう場合も。これは、認知症の疑いのある方を診察につれていく時の難しさに似ています。みんなが後悔しないためのものなのに、かえって悲しい結果になってしまうのではと、躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。

というわけで今回は、親に気持ちよくエンディングノートを書いてもらうためのコツをご紹介します。

目的を“エンディング”にしない。

not for endhing
人に何かを伝える場合は、目的(ゴール)を明確にして、そのプロセスを伝えていくのが大事。しかし、エンディングノートの目的を先に伝えると、“病気・介護・事故”およびその先にある“死”の話になってしまいます。いきなりこの話から始めると、「脅されている」と感じる人も多いようです。ポジティブに書き始めていただくためにも、“これまでの人生を振り返るもの”として伝えていただくのがオススメ。市販されているエンディングノートも、「何か起きた時のこと」というページの前に「私の人生について」というページが先に来ているものが多いです。市販品をプレゼントされる際は、一度中身を見てポジティブに書きすすめられそうな順番のものや、次のような“エンディング”を連想しにくいタイトルのものを選ぶというのも工夫の一つです。

子どもからは直接言わない。

dont tell direct from chirdren
身近な家族がどんなにその人のことを想って伝えても、気分を害してしまうリスクを孕んでいるのはなぜでしょう?
それは、“もしも”の時に「精神的・肉体的な負担を強いられる」「金銭的な損得が発生する」立場の人だからです。「この子は自分の都合を親に押し付けようとしているのではないか?」と疑われてしまうのかもしれません。そこで、敢えて子どもの立場から直接的に伝えないというのも一つの方法です。あなた自身も付き合いの深いお父様・お母様のご友人がいらっしゃれば、その方に相談しても良いかもしれません。(親族の方でも被相続人にならない方であれば第三者と言えますが、家族構成によりケースバイケースですので、注意が必要です)

しかし、この手の話を気軽に頼める方はなかなか該当する人がいないのも事実。だからこそ、まずは、終活を題材としたテレビ番組や映画を一緒に観ることからはじめてみてはいかがでしょうか?お父様やお母様から、終活・エンディングノートに対して前向きな言葉が出てくるようになれば、「書いてみる?」と背中を押してあげてください。

おすすめ映画&テレビ

★映画「エンディングノート」
映画エンディングノート「娘」の視点で、人生を終えようとする父親と彼をとりまく家族の姿を撮り続けたドキュメンタリー映画。「泣いて笑って、また泣いて、揺さぶられて、観終わった後何時間も誰かに話したくなる」と評判です。
>>>映画「エンディングノート」公式サイト

★TV番組「ファミリーヒストリー」
ファミリーヒストリー
著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材し、「アイデンティティ」や「家族の絆」を見つめる番組。 驚きあり、感動ありのドキュメント。自分の生き方も振り返りたくなるような番組です。(NHK・毎週金曜午後10時~)
>>>NHK公式番組情報サイト

一緒に書きはじめる(もしくは、自分が先に書く)

write togeather
「自分はもうすぐ死ぬんだと子どもから宣告されたように感じる」のだとしたら、そのニュアンスを排除すれば良いのです。年齢や寿命に関係なく準備するものだと受け取ってもらうためにも、一緒に書いてみるのはいかがでしょうか?本来、エンディングノートは“死が間近に迫っている人”だけのものではありませんから、この機会にあなた用のエンディングノートも作成してみましょう。一度自分で書いてみると、その体験談をリアルにお父様やお母様へ伝えることもできますよ。

記念日や節目のタイミングで切り出す。

memorial day
上記の合わせ技が前提ですが、誕生日やご両親の結婚記念日、年の初めであるお正月など、区切りの良いタイミングで話をしてみるのも効果的です。節目を迎えると、多くの人が過去や未来のことに想いを馳せるようになります。新しい一年の抱負を考える人も少なくないですよね。このような思考は、エンディングノートを書くときの頭の中と非常に近い状態。肯定的に受け止めてもらいやすい時期だと言えます。

いかがでしょうか。「自分自身で書きはじめること」と、「人に書いてもらうこと」は、似て非なるもの。一方的にノートを渡すのは厳禁です。前向きに未来のことを話せる環境づくりを大切にしてくださいね。

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森田 大理

森田 大理

大学卒業後、大手情報サービス企業の人材採用事業にて求人広告の制作ディレクターに従事。その後、事業会社の広報・PRを経験し、2013年にコピーライターとして独立。広告の企画・制作や、人の働き方・生き方に焦点を当てた記事の執筆を手掛ける。また、コピーライターとしての活動と並行して、その人らしい人生の歩みを伝える手段である「エンディングノート」を普及推進すべく活動中。
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