認知症介護をする家族が必ずたどる「4つの心理的ステップ」

家族がたどる認知症介護の4つの心理ステップ

はじめまして!ブログ「40歳の遠距離介護」を運営している、くどひろ(旧40kaigo)です。認知症の祖母と母の介護経験を基に、認知症家族としての視点でこれから書いていきますので、宜しくお願い致します。

家族介護は医者や介護職の方とは違って、仕事ではありません。家族だからどうしても割り切れず、感情的になりがちです。そこをあえて気負い過ぎず「しれっと」介護をすることを常に意識しているのが、わたしの特徴です。情報収集した後で母や祖母に試してみる、自分自身にも試してみる事をやって3年目に突入しました。読者のみなさまには、役に立つ認知症情報やわたしが実践した認知症介護をご紹介できればと思っています。

第1回は認知症の介護に携わるご家族が必ずたどると言われている、「4つの心理的ステップ」のお話です。先が見えない事が認知症介護を不安にさせますが、これを知ったことで、介護へのスタンスが大きく変わりました。知っているのと知らないのとでは、家族の気持ちの余裕に大きな差が生まれる大切なお話です。

認知症の人と同じように、介護者にもステップがある!

「認知症に軽度・中度・高度があるように、介護者にもステップがある」

川崎幸クリニック・杉山孝博先生が提唱されている「介護家族のたどる4つの心理的ステップ」をご存知ですか?
この4つのステップを、わたし自身の認知症介護体験と絡めてお話していきます。

第1ステップ 『とまどい・否定』

今までできていたことが急にできなくなる、しっかりしていた家族が突然変なことを言いだす、家族は「とまどい」ます。
認知症と認めたくないので、「否定」するのが第1ステップです。認知症だと認めたくないので、人にも相談できず、ひとりで悩む時期です。「年相応のもの忘れでしょ、認知症じゃないよ!」というステップです。
 

第2ステップ 『混乱・怒り・拒絶』

「とまどい・否定」という態度をとったところで、認知症の症状は一向に変わらないため、どう対応していいか分からず「混乱」します。なんとか理解してもらおうと説得したり、注意したり・・・でも、認知症の方には全く効果がありません。それが次第に「怒り」に変わります。

しまいには、介護していても一向に改善されないからと、「拒絶」してしまうのです。適切な介護サービス・医療を受け
ず、自分の常識を認知症の人に押し付ける結果、認知症が悪化してしまうという悪循環に陥ります。一生懸命やっても何も変わらない、さらに混乱していって・・・第3ステップへと移行します。

第3ステップ 『割り切り、あるいはあきらめ』

第2ステップでかなり疲労困憊する家族。あまりに疲れちゃって、「今やっている事って、あんまり意味ないよねー」
「もう歳とっちゃってるし、こういう症状もしゃぁないよねー」と「割りきり」、「あきらめる」ようになるのが、
このステップです。ここまで至るのに、精神的・肉体的にも限界に達している可能性もありますが、ようやく光が見えるステップがここです。

第4ステップ 『人間的、人格的理解』

簡単に言うと、悟りの境地が第4ステップです。認知症に自分もなるかもしれないし、認知症患者が不安な気持ちもよく分かる。そういう気持ちで介護に臨む!という仙人のような最終ステップです。 このステップまでいった人をわたしは人間的に尊敬します。

とまどいや怒りのステップは、短縮化できる!

多くの人が第1、2ステップに多くの時間を費やしてしまい、疲弊してしまうのが現実です。第3ステップまでいかずに、認知症本人につらくあたってしまったら、症状は悪化し自身の介護負担もさらに増大します。

私の場合、介護が始まる時にこのステップを勉強していたおかげで、とまどいや否定、怒りや混乱の時期はかなり短かったと言えます。
亡くなった祖母はやや高度の認知症だったので第4ステップで、軽度の認知症の母に対しては第3ステップで接しています。30分で同じ話題を20回は繰り返した祖母ですが、今さら何かを分からせようとか、理解させようなんて気は全くなく、わたしはすべてを肯定します。 

『うんうん、そうだねー』 『分かる分かる、それいいねー』  

何回同じ事を言われても、全部これで対応できます。子宮頸がんで余命宣告されていた事もあり、優しく接することが自分でもできました。軽度の認知症である母に対しては、基本第3ステップです。祖母で鍛えられたので、第3ステップで対応できています。

認知症の家族と過ごしていると、毎日が人間修行だなと、ホント思います。
自分がどのステップに立っているか考えることで、今後の介護でたどる道すじが見えてくるのではないでしょうか。

今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどひろ)
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」など執筆を生業にする介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護からスタート。父(要介護5)も在宅介護して看取る。成年後見人経験者、認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。現在も東京と岩手を年間約20往復しながらしれっと遠距離介護中。

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