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【「備える」のも必要では?】
“予防”ならぬ“予備”という考え方。
「ならないようにしよう」という“予防”だけだと
なった時に「予防できなかった…」と落胆する。
備えあれば憂いなしで
「なることもある」という前提の“予備”があれば
なってからも安心できるのでは?
“予防”と“予備”
両方あればなおよしですね。
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「防ぐ=避けるべきもの」
「予防」とは、前もって防ぐという意味です。そして、予防しようとするものは、それを「避ける」ために行われます。
- 事故予防
- 感染症予防
- 介護予防
- 認知症予防
事故や感染は何が何でも避けたいですし、介護や「認知症」はできることなら避けたいと多くの人が思うことでしょう。取り組んだ結果、避けたいものを避けられたとしたら、それはそれで効果があったものとして嬉しいでしょう。
しかし、予防に取り組むということは、それを「避けるべき」という価値観のもとで取り組むわけですから、同時に「好ましくないもの」という価値観も強めてしまいます。
例えば、認知症予防に取り組めば、「認知症」を避けるために行っているのですから、「認知症」=「好ましくないもの」という価値観を、知らず知らずのうちに強められてしまい、もし、自分が「認知症」になった時には、「人生が終わった」というとらえ方にまでつながってしまうことにもなります。
「認知症」予防はリスクを高める?
「認知症」の予防のために良いとされていることを挙げてみます。
- 規則正しい生活
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- 趣味等で外出して人との会話を楽しむ 等
そして、推奨されているこれらのことは、実は健康寿命を伸ばすこと(=長寿)にもつながります。しかし、90歳を超えると60%以上の人が何かしらの「認知症」をもつと言われていますから、長寿になればなるほど「認知症」になるリスクも高まります。つまり、「認知症」予防に取り組むと、長寿になり、「認知症」になる確率を高めるという皮肉な構図になってしまうのです。
だからこそ、なることを避けようとするだけじゃなく、なったときに安心できて、自分らしく過ごせるように、前もって「備える」取り組みが必要なのではないでしょうか。
自分らしく過ごすカギは「習慣」にある
お風呂やトイレの習慣。
これは基本的に密室で行われているので、家族でもわからないことがあります。そのため、ノートに書いておくことや、誰かに話しておくことをおススメします。
他にも、「何をしている時がリラックスできるか」「食欲がない時でこれなら食べるというメニューは何か」「気分が沈んでいる時には誰の音楽を聴くと気分が高まるか」「慣れ親しんだ作業はあるか」など、自分の“快”/“不快”の感覚につながることも、誰かに話しておくようにしましょう。
「食事の最後の一口は好きなおかずで」
「お水は冷たいものより常温で」
「お風呂は基本シャワーだけ」
そんな事柄を、周りの人に知っておいてもらえたら、自分にとっていい関わりをしてもらえる確率は高まるでしょう。さて、あなたの周りに、あなたの習慣や好みを知っている人は、どれくらいいますか?


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