介護現場での注目が高まるレクリエーション介護士とは

「レクリエーション」と聞いて、皆さんは何を想像するでしょうか?小学校でやったキャンプファイヤー?それとも、はんかち落とし?フルーツバスケット?人によってイメージはさまざまかと思います。

そもそもレクリエーションの語源をたどると、RE=再び CREATION=創造 とあります。つまり、再創造。これを人にあてはめると何を再創造するのか?こうなります。

「元気を再び作り上げること」

レクリエーション介護士とは、介護の現場で高齢者さんの元気や意欲、楽しいを作り出す役割をする人なのです。

レクリエーション介護士について

レクリエーション介護士は、2014年9月にリリースされました。まだ、誕生してから2年半ほどしか経っていないのです。人間にすれば、ようやく言葉を話し始めるころでしょうか。

レクリエーション介護士という資格の誕生のきっかけは、運営元であるBCC株式会社スマイル・プラスカンパニーが2013年に経済産業省の【多様な「人活」支援サービスの創出・振興】事業を受託したことからお話しなくてはなりません。

この人活という事業は、ひと言で言うと成長産業分野の人材の底上げが目的です。介護業界もこの「成長産業分野」にあたります。

200施設をまわって分かったこと

BCC株式会社スマイル・プラスカンパニーでは、この「人活」事業を受託し、介護の現場調査を実施しました。関東・関西合わせて200件の介護施設に直接お伺いし、現場の人材、レクリエーションに関する課題や成功事例、失敗事例を徹底的にヒアリングしました。このときの調査結果が、レクリエーション介護士が誕生する大きなきっかけとなりました。

余談にはなりますが、私自身が関東で100件の施設へお伺いさせて頂きました。事前に電話でお約束を頂いてからお伺いするのですが、ちょうどこの頃メディアで消火器詐欺が取り上げられていたこともあり、「経済産業省の受託事業で…」などと電話するものですから、それはもう、間違えられました(笑)

電話をかけてお約束いただいては伺い、伺っては電話をかけ…の繰り返しで多くの施設様に訪問させて頂きました。どの施設様もとても親切にしてくださり、様々な質問に真摯に答えてくださったことを今でもよく覚えております。この場を借りて、当時ご協力頂きました200件の施設の皆様にはお礼申し上げます。

初夏に始まった私たちの施設訪問は、気がつけば年も越し1年で最も寒い月。2月を迎え関東、関西それぞれ100施設の訪問が完了しました。

集まった現場の声

初夏に始まった私たちの施設訪問は、気がつけば年も越し1年で最も寒い月。2月を迎え関東、関西それぞれ100施設の訪問が完了しました。なかでもレクリエーションに対する課題は深刻なものであると感じました。それは課題を通り越し、悲鳴のようにも聞こえたのをよく覚えています。

多数を相手に何をしたらよいかわからない
年齢、視力、聴力、マヒの有無の差のある中で、内容設定に悩んでいる
狭い場所でもできる運動やゲームが知りたい

私たちの企業理念は「人を支える人を、支える」。この悲鳴にも似た声を、どうにかしなくてはならない!こうして「資格制度 レクリエーション介護士立ち上げプロジェクト」は始動したのです。

レクリエーション介護士の資格取得で変わる介護業界

レクリエーション介護士という資格をどういった方たちが取得しているのでしょうか。レクリエーション介護士がリリースしてから2年半がたった現在、取得者は1万5千人にのぼります。全体の7割は介護の現場でお仕事をされている皆さんです。残りの3割は、以下の様な方々です。

  • これから介護業界に入ろうと考えてる方
  • 自宅で家族の介護をされている方
  • レクリエーションで生計を立てている方、もしくはボランティアの方
  • 介護業界に関わる企業の方

今後、介護業界は地域包括ケアに注力していく必要があります。そうなるとますます業界外の方たちの力が必要になります。

なぜ、介護現場にレクリエーションが大事なのか?

介護の現場では、レクリエーションの時間というものがあります。これは高齢者の楽しみを作る目的のほかにも、現存機能を維持させる重要な役割があります。しかしながらこの時間は、大抵の施設で30分~60分程度でしょう。
先ほど私たち自身のレクリエーションで述べたように、私たちの楽しみは日々の生活の中にも多くあります。レクリエーションの時間と呼ばれる時間以外に、生活の時間の中にも様々な楽しみを作っていくことが重要なのです

難しく考えずに、迷ったら自分自身が日々をどのように楽しんでいるか?思い返してください。そして自分が幸せな気持ちになったり、嬉しい気持ちになったことを高齢者さんたちにもして差し上げてみてください。もう一度言います。レクリエーションは日々の生活の中にこそ多くあります。そしてそういった積み重ねが、日々の喜びや楽しみを見出すきっかけになっていきます。そうした気持ちが高齢者の自発的な活動につながり、現存機能の維持にもつながるのです。

介護現場になぜ、レクリエーションが大事なのか?

レクリエーションは、人が人らしく日々を過ごすために介護を受ける高齢者に関わらず私たちにも必要不可欠です。ゆえに、介護の現場でもレクリエーション活動を欠かすことができないのです。

レクリエーションの最終目的とは?

介護現場でレクリエーションを展開する際は、毎回の目的をはっきりとさせておく必要があります。例えば、指先を使ったクラフト系のレクリエーションでは、目的は「脳の活性」になります。身体を使ったボウリングや風船バレーなどは、「運動」になります。介護現場でのレクリエーションは、提供する側が明確な目的を持って提供する必要があります。

さて、毎回のレクリエーションはそれぞれ違った目的があり開催されていきますが、もっと大きな意味で介護レクリエーションの最終目的とはいったい、なんなのでしょうか。

それは、「レクリエーションの自立化」です。

高齢者が自ら、こんなことがやりたいと発信したり、自発的に行動をおこすことです。色々な施設形態がありますし、介護施設は集団生活になりますからルールも必要です。全てがこの施設さんのようにすぐに行うのは難しいかもしれません。しかし、こうした光景が介護レクリエーションの最終目的ではないかと思います。

介護現場で行われるレクリエーションの今後

介護の現場には人材不足をはじめとする様々な課題が多くあります。今後の介護の現場には介助はもちろんのこと、レクリーエーションにもITの力が必要になってくることは言うまでもないでしょう。あらゆる面で、効率化を図る必要性がでてきます。

介護現場のレクリエーションをサポートするツールは現在でも多くあります。コミュニケーションロボットをはじめ、届いたメールを読み上げてくれたり、なでると優しくないたりする動物の人形など実に様々です。ですが、こうしたロボットだけで、レクリエーションが充実することはありません。そこには必ず人の手や、想いが必要になります。支援者がどうかかわっていくかで、こうしたロボットの活用メリットも高くなります。

今後、介護業界にも様々な面でIT化が進むことは容易に想像できますが、高齢者が生きる喜びを見出すための手助けは、人でなければできない部分ではないでしょうか。

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一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会

一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会

高齢者の「生きる喜び」「楽しみ」を見いだす活動である高齢者介護レクリエーションについての情報収集や技術などの調査・研究を行い、それらを活用した高齢者介護支援、レクリエーション介護士の人材育成と認定を通じて、心豊かな高齢社会の環境構築に寄与している。
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