2014年9月より始まった、介護とレクリエーションの基本知識や企画・実行に特化した「レクリエーション介護士」。さまざまなメディアで取り上げられ、厚生労働省・経済産業省・農林水産省の共同制作「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集」にも選出されました。
ボランティアに興味がある方や、介護職に就いている方、介護業界に興味がある方など、自分の趣味や特技を活かして活躍できる資格です。今回は、レクリエーション介護士資格の運営事務局である、BCC株式会社スマイル・プラスカンパニーにお話を伺ってきました!
★今回お話を伺った方
伊藤 一彦(いとう・かずひこ)
大阪市立大学を卒業後、NEC、ベンチャー企業を経て、2002年に営業創造株式会社(BCC)を設立。2012年スマイル・プラス株式会社をグループに向かえ、2014年持ち株会社制に移行し、BCCホールディングス株式会社の代表取締役に就任。
富永 雅美(とみなが・まさみ)
一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会を運営するBCC株式会社スマイル・プラスカンパニー所属。同協会が認定するレクリエーション介護士の開発メンバーの1人でもある。通信教育のユーキャンと回想レクリエーションツール「思い出しカード」など商品開発にも携わるなど、企業とのマーケティングや開発業務を担当。レクリエーション介護士講座では、前職であるスポーツインストラクターの経験とノウハウを活かした講義や現場でのレクリエーションが人気。
レクリエーション介護士誕生のきっかけ
―――介護の中でレクリエーションに目をつけたきっかけを教えてください
伊藤:弊社サービスに「介護レク広場」というWebサイトがあるのですが、「レクの仕方が分からない」というお問い合わせを頂くようになったのです。アンケートを採ったところ、実に半数の方が、講習・研修でレクリエーションの方法を学んだことがなかったのです。そして、9割以上の方がレクリエーションを学んでみたいという回答結果が得られたんです。

伊藤:「レクの当番が週1回まわってくるのが辛くて…」と、レクリエーションが原因で退職されている方もいるとのことだったので、直接介護施設200件まわって、現場の意見を聞いたりしました徹底的にヒアリングしました。
富永:私と大阪の担当者とで、それぞれ100施設まわったのですが、介護施設は駅から遠い場所が多く何足もハイヒールのかかとが擦れてしまって…経費で靴代落とせないか相談したくらいです。(笑)
―――そうだったのですね(笑)介護施設を回られてどのような印象を持たれましたか?
伊藤:私自身以前は、レクリエーションは子どもの遊びと思っていたのです。しかし、たくさんの介護現場のヒアリングデータを見るにしたがって、そうではないという確信を得られたのです。レクリエーションこそ、高齢者のQOLを高める大事な意味があると。
現在、介護職員不足が問題視されていますが、今後も急に増加するなんてことはないのではと私は考えています。そこで、入浴介助はできないけど、レクならできる人材、つまりは介護職員の方にかぎらず、一般の方でもレクリエーションで超高齢社会を支えていくことができるのではと。
レクリエーション介護士って?
―――レクリエーション介護士とはずばりどのような資格なのでしょうか
富永:レクリエーション介護士とは、介護が必要な高齢者と接するために知っておくべき基礎知識と、介護レクリエーションの意義・役割を理解して、企画や盛り上げる技術を身に付けることができる資格です。日々の生活の中に「喜び」と「生きる楽しみ」を見出し、さまざまな活動を行うのがレクリエーション介護士です。介護事業所の方々からも注目されていることもあり、これからの介護施設にとっては欠かせない人材とも言っていただけています。
―――受講される方は介護従事者の方がほとんどなのでしょうか
富永:7割は現場の方になります。1割は自宅介護や、レクリエーションボランティアをされている方、残りの2割は民間企業の方で、介護現場との接点がある企業に所属している人たちですね。冒頭にも申しましたとおり、介護施設などの現場で働いている方の実に半数が、レクリエーションの仕方が分からないという現状なので、必然的に介護従事者の方が多くなりますね。
レクリエーション介護士ができること
―――受講時にどのようなことが学べるのでしょうか?
富永:例えば、現場スタッフの方から、新しいレクリエーションを考えるのは大変という声をよく耳にします。そこでレクリエーション介護士は、高齢者とのコミュニケーションの取り方から、レクの企画の立て方、企画書の書き方など、基礎から応用まで学ぶことができます。
また、レクリエーション介護士1級になると、参加者の状態に合わせてレクリエーションをアレンジすることや、介護レクの意義や役割を理解し、人に伝えることができるよう事業所レベルでレクリエーションを充実させられるようになります。
さらに、平成29年4月に開始予定のレクリエーション介護士マスターは、レクリエーション介護士を育てる力を身に付けられるような講座内容となっています。
今後の展望
―――開設から1年半で1万5千人のレクリエーション介護士が誕生したとのことですが
伊藤:現場スタッフの声から実現したレクリエーション介護士の資格ですので、レクリエーションの重要性や活用方法が分かっているにも関わらず、学ぶ機会がなかったというジレンマを抱えていた方に必要とされているからこその結果だと思っています。レクリエーション介護士資格を通して、介護従事者が活き活きと仕事をし、高齢者の方がもっと暮らしやすい世の中になればと願っています。
富永:介護従事者が十人十色だからこそ、レクリエーションも十人十色になるのです。言ってしまえば、個性がレクリエーションになるのです。もっとたくさんの人に知っていただき、たくさんの個性的で楽しいレクリエーションが生まれるといいなと思っています。
さいごに
介護職員不足が深刻さを増す中、一般の方やボランティアの方でもできるレクリエーション介護士の需要は今後ますます高くなってくることが予想されます。また、介護職員の方にとっても、自身のステップアップのためにも役立つ資格なのではと感じました。
今注目のレクリエーション介護士資格に興味をお持ちの方は、下記ホームページよりご確認くださいませ!

認知症ONLINE 編集部

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