笑って父ちゃん!脳血管性認知症の介護体験談~父というお茶目な存在~

by すーちゃんすーちゃん 3900views

脳血管性認知症で要介護5の父を、在宅でシングル介護中のすーちゃんです。今回は、私がなぜ父の介護生活をここに文章にしようと思ったかについて書いてみようと思います。私というフィルターを通した父の想いを知っていただけると幸いです。

百人百様の介護方法

被介護者の状況や介護環境によって、さまざまな介護の方法があり、自身の介護日記をブログで公開されている方もたくさんおられます。

私は、日常的に暴力があり困難事例と言われる父を、介護者ひとりという環境で長年看てきたというだけの介護家族です。(困難事例という言葉は嫌いですが、敢えて使います)

みなさんにお伝えできるような、介護の理論、介護に役に立つ情報は持っていません。ただ、真剣に介護生活に向かい合ってきました。そして、辛いといわれる介護生活の中に、たくさんの喜びがあることも実感してきました。

認知症って攻撃的…?

「認知症になったとしても、攻撃的な認知症にだけはなりたくない」

文章として書いてみたいと思ったのは、こんな言葉を聞いたことがきっかけでした。

わからないことやできないことが増えたとしても、穏やかに暮らしたい。認知症になりたくないし、もしなったとしても暴れるような人にはなりたくないって、きっと多くの人が思っているのだと思います。私も、父の介護がなかったらそう思ったと思います。

でも、気に入らないと叩くし、大声で怒鳴り続ける父を看てきて思うのです。誰だって、そんなことしたくてしているわけではないのです。そうせざるをえない状況があるんです。そうすることでしか表現できない本人にしてみたら、とても困った状況なんです。だからこそ周りの理解が必要なのです。

でも、まわりからは大変な人と思われているのかもしれません。「怖い」とも思われているのかもしれません。「一緒にいるのは嫌だ」と思う人もいたのかもしれません。事実、集団生活にはなじめず、お断りされたこともあります。

認知症に対するネガティブなイメージが当事者を苦しめる

認知症といわれる症状とともに生きていくのも大変です。さらに攻撃的で怖いと思われることが、どんなに悲しいことなのか知ってもらいたいと思ったのです。

認知症といわれる症状をもつようになった父に、強く感じるようになったのが、「自分のことを大事にしてくれる人かどうか?」を見抜く力です。適当にあわしたり、我慢したりがなくなったぶん、自分の感情にとても素直だといえます。

例えば落ち着かない父を和まそうと笑ってくださる方がいます。でも父は見抜きます、心の底からの笑顔かどうかを。

「おれをバカにするな。へらへら笑うな。」
父の心の叫びです。

笑うより、落ち着かない原因をどけてほしいんです。自分でどうしようもないことを助けてほしいんです。

「薬で落ち着いてもらったら?」と言う人もいます。でも、ああでもないこうでもないと悩み、どうしたら落ち着いて生活できるんだろう?という格闘の中にこそ、人らしい生活があるんではないでしょうか?

周囲の協力があってこそのお茶目な父

たくさんの手助けは必要ですが、何もわからない人でも、何もできない人でも、怖い人でもないのです。父の在宅介護計画の中に、こんな一文があります。

「父のお茶目なところを引き出していけるような関わりを大事にしてほしい」

サービス担当者会議で、父に関わってくださるみなさんと確認した言葉です。今、父は家であたたかい人たちに囲まれて過ごすことができています。父の世界を一緒に楽しんでくださっています。

ヘルパーさんたちそれぞれ、「〇〇の嫁」「オリンピック選手」「徳川義光(女性に失礼ですね)」「坊さん」など、役割があるんです。共通確認し、父に関わる方たちに理解いただけたからこそ実現していると思います。

さいごに

父といるときの楽しいエピソード、関わってくださってる方との嬉しいエピソードなど、書きたいことはたくさんあります。娘が書いていますから、父への欲目もあるかもしれません。

でも、当事者である父のかわりに、家族である娘が発信していきたい思います。認知症といわれる状態になっても、どんなに深い症状があっても、「認知症の人」ではなく、「父というお茶目な存在」ということを、伝えていきたいと思います。

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すーちゃん
1966年生まれ。仕事をしながらの両親ダブル介護を経て、2006年に介護離職。現在は2005年に心原性脳梗塞になった83歳の父(脳血管性認知症 要介護5)を在宅介護中です。シングル介護なので大変も多いけど、父を笑かすことが私の楽しみだったりします。細々と、ブログ「笑って 父ちゃん」で父娘のドタバタな日常を綴っています。★プロフィール写真は、父が私を描いてくれたものです。
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