立った!歩いた!踊った! こんなにモチベーションが上がるのはなぜ?

タンゴセラピー協会の中川健一郎です。私は現在、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に勤務しながら、休日などの時間を使い、NPO法人の理事としてタンゴセラピー活動を行っています。

人生の先輩と接していて思うことは、モチベーションを上げるための目標を立てることが難しいということ。

グループホームの役割は、ケアが必要なときは思いやりをもって行い、料理や洗濯などは皆と協力し合いながら生活し、地域とつながることで役割を持ち、症状の進行を遅らせることです。QOLの視点から見ると、一見幸せそうな日々も、「何か」が欠けているように感じました。

その「何か」は、もしかするとわたしたちにとっても欠けているのかもしれません。それは、「トキメキ」であり、「嬉しい緊張感」であり、「心許せる安心感」です。タンゴセラピーは、日常に、トキメキエッセンスを振りかけ、モチベーションをドンッ!とあげます。

ペアダンスというトキメキ

みなさんは最近、誰かと手を繋ぎましたか?ハグしましたか?ふれあいがありましたか?

私たちの暮らす日本の文化では、あまり馴染みがないですよね。私自身も仕事や活動を除いては、なかなかそういった機会はありません。前職はアルゼンチンタンゴの講師をしておりましたが、年齢にかかわらず、体験レッスンに来るほとんどの方が、相手と触れ合うことにとても緊張されていたのを覚えています。

タンゴを踊るには、相手に挨拶し、相手に触れ、手を合わせ、息を合わせ、抱擁します。このことが私たちに【トキメキ】をふりかけると同時に、幸せホルモンの【オキシトシン】の分泌にもつながります。

0001

そして参加されるごとに、身だしなみにもどんどん気を使われるようになり、立つことを断っていた方も続けられるうちに、「あっ!あの方が立った!」という事もよくあります。

頭、そして身体で覚えることの大切さと効果

タンゴセラピーでは「歩行練習をダンスに!」と謳っていますが、それは歩行に音楽をつけただけではありません。ペアになった2人が息を合わせて一緒に音楽を聴き、その一歩一歩を楽しみます。

14705671_1677217262589581_512599155710806574_n

脳の活性化や転倒・失禁予防につながる後退歩行、左右への歩きを、私たちボランティアスタッフとペアを組み、頭と身体で覚えていきます。

女性らしさ、男性らしさを引き出す特別な社交場

タンゴの本場、アルゼンチンの文化では、男性も女性も一生男性らしく、そして女性らしく歳を重ねていきます。その中でもタンゴのダンス会場のような社交場は、ただのダンスの場ではなく、自分磨き、人とのかけひき、異性へのアピールなど、さまざまなモチベーションアップの要素があります。

安全性と安心感について

ペアダンス、ましてやタンゴというと、「危ないのでは?」「立てない人はできないのでは?」など、疑問が出ると思います。しかし、皆さんが想像されるようなTVで放映されるタンゴはショータンゴであり、私たちが行うのは随分違ったゆったりと「歩く」踊りです。

13087320_1588728514771790_2984910307801602337_n

車椅子の方もほとんどの方が立位をとり、音楽で一緒に揺れるだけでも「踊り」を感じられます。手先ではなくしっかりした抱擁ですから、安心して後ろ方向への歩きも可能となります。

ご利用者、ボランティア参加者、施設職員の声

13620797_1620141771630464_5257705924775799473_n

タンゴセラピーを体験された方から、たくさんの感動や驚き、そして喜びの声をいただいております。ここではその一部をご紹介いたしますね。

ご利用者様の声

「60年ぶりに踊るタンゴ、生きる楽しみが増えました」
「この方と踊れるようになれるまではがんばるんだ!」
「あなた、浮気しちゃダメよ♪」
「一昨日100歳になったのよ。また会えて嬉しいわ」
「このステップはいつもお父さんがうちでやっていたステップだよ!」
「座っていても踊っていた感じだった」
「身体が動かなくてもこころは踊ってるからね!」
「口紅つけてくるの忘れちゃった!」
「93でダンスを始めるなんてね、息子もおどろくだろう、挑戦だね!」

施設職員様の声

「積極的に『踊りたい』と言われる方が多かった」
「車椅子使用の認知症の方が、立って足踏みされてるのを見てビックリしました!」
「車椅子から自ら立とうとしないご利用者様が立って!音楽に合わせて体を揺らしていたなんて驚きです!」
「朝から今日はタンゴの日ね!と嬉しそうにされていました!」
「あの方は麻痺もあり言葉も通じない方なのに、車椅子から立った!体を預けた!」
「毎朝 施設の体操に頂いたタンゴのCDを聴きながら行っています」

ボランティア参加者様の声

「最初の挨拶でアブラッソした瞬間の優しい笑顔で感動しました!」
「ハグした時に「嬉しい」と声で伝えてくれる方が居て、幸せでした。人の体温は温かいですね」
「毎回元気になって、身体の変化が見られることが凄く感動的」
「人に自然に触れることが出来、自分自身も癒 される時間でした」

まとめ

14907083_1678900319087942_837599347004160198_n

いかがでしたでしょうか?何よりもご参加者の声がモチベーションそのものですね!活動の様子やご参加者様の声はいつもHPやFBにあげておりますので気になる方はチェックしてみてください。

活動への参加、見学いつでも募集しています。

前回記事:さあ、タンゴセラピーをやってみよう!基本編vol.1「歩く」

The following two tabs change content below.
中川健一郎

中川健一郎

北海道三笠市生まれ。東京都在住。20代は世界を放浪し、30代でアルゼンチンタンゴと出会う。アルゼンチンタンゴ講師から、タンゴセラピーがきっかけとなり介護職に転職、社会貢献活動として2016年4月より、 NPO法人日本タンゴセラピー協会の理事として、東京7施設、名古屋1施設での介護施設でのタンゴセラピー活動を行っている。夢は、「人と人のふれあいで、お互いを理解し、社会の平和につなげること」です。

編集部おすすめ記事

この記事を読んだ人にぜひ読んでほしい、その他の記事

介護のお仕事

新着記事

Facebookコメント