「介護する側も守る」デンマークの現在にみる、日本の介護の未来

by くどひろくどひろ 17046views

厚生労働省発表の「働き方の未来2035」という報告書によると、今から19年後の2035年について、このような記述があります。

2035年には働く人が大幅に減少していることから、人手不足が一段と深刻になるに違いない。そうした中で、AIなど科学技術の発達による自動化・ロボット化によって、介護や子育て、家事などの負担から働く人が解放されていることが期待される。
引用元:「働き方の未来2035」~一人ひとりが輝くために~

そういった未来は誰もが予想できるものの、介護ロボットを使った「現在」はどのようになっているのでしょうか?

明確な役割分担

日経デジタルヘルスの記事で、MTヘルスケアデザイン研究所所長の阿久津靖子氏が、デンマークにおける認知症施設の現場を紹介しています。

特徴は、介護される側だけでなく、介護する側も守るという制度だ。介護士は人がする必要のある仕事だけをし、それ以外は機械を使うという考え方が基幹にある。例えば、床掃除はロボットの仕事だ。
引用元:日経デジタルヘルス

デンマークでは、人と介護ロボットの役割分担が明確になっているということです。介護職の方も守らないと、介護”職”離職は減りません。さらに、こんなことも書いてありました。

たとえ介護する相手が床に倒れていても、介護士は自分で抱えて起こしてはいけないという。介護を通して介護士が体を痛めてしまうのを防ぐためだ。代わりに、介助のための機械が施設内の至るところに設置されている。ベッドから起こして車いすに乗せるのにも備え付けのリフトを使う。
引用元:日経デジタルヘルス

日本の介護士さんは、介助技術をお持ちなので、ロボットを使うよりも自分でやったほうが早いと考えるかもしれません。また、決められた時間内でケアをしないといけないため、ロボットなんて使ってられないというかもしれません。しかし、デンマークでは介護する側も守る必要があるため、機械とロボットを徹底して分けています。

日本よりも個人を大切にするという傾向もあるという。日本の介護施設では、機能訓練などをみんなでまとまってやる、というケースが多い。しかしこちらの施設では入居者を1対1でサポートをするのが基本だ。介護士は大学を出てから専門の知識、技術を学び、仕事に就く。その分収入も平均的な職業よりも高いという。
引用元:日経デジタルヘルス

デンマークの利用者と職員の人数バランスについて、具体的にはよく分かりません。ただ、最後にある収入が平均的な職業よりも高いという話が面白いです。

介護ロボット反対派の意見

認知症ONLINEを運営する、株式会社ウェルクスの「介護ロボット調査」によると、3割の方がロボット導入に反対されています。理由としては、人の温かみがない、味気ない、故障するなどの理由が挙げられていました。

調査結果記事:約3割が「反対」、なぜ介護ロボット導入に賛否が分かれるのか。ウェルクスが「介護ロボット」に関する調査を実施

わたしは、介護ロボットを使うことに抵抗はありません。テレビに映ったコミニケーションロボットを見た認知症の母も、「かわいいわね」と言ってました。今でも、見守りカメラなど、便利ツールの導入には積極的ですし、それらがないと遠距離介護は成り立ちません。

人とロボットの共存に期待

携帯電話が、ガラケーからスマホへシフトしていったように、人々が便利だと思う方へ自然と流れていきます。スマホが使いづらい方は、ガラケーを使い続けるのと同じで、介護ロボットも時間が経つにつれて、使いこなす人とそうでない人に分かれると思います。

AIが進歩しても、人間の判断が必要なところは残りますし、反対派の言う「温かみ」はなかなかロボットには表現できないものです。うまく共存することで、より介護がラクになる未来を期待しています。

今日もしれっと、しれっと。



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くどひろ
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」を運営する息子介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護。 2013年3月に介護退職し、現在も東京と実家を年間20往復中。認知症サポーター、成年後見人経験者。『ひとりで抱えず、人に頼る。情報発 信し、同じ境遇の人をラクに!』をモットーに、しれっと介護中。著書「医者には書けない!認知症介護を後悔しないための54の心得」「医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得」
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