それって本当に「認知症」なの!?

by 裵 鎬洙裵 鎬洙 12204views

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【聞き分けがないと…認知症扱い!?】

入院中のとある高齢者が「帰りたい」と希望を伝えたら
認知症だと判断された。
物忘れがあるわけでもないのに。

スタッフからみて「聞き分けがない」と
そんなレッテルが貼られるのかな。

自分の素直な気持ちを伝えて
そんな対応されるとしたら、イヤだな。

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素直な気持ちを伝えているだけなのに…

予定されていた入院ならまだしも、急遽、入院することになったとしたら…きっとわたしは家のことが心配になります。それに、病院にいてもやることはないし、ベッドで安静にしているだけなら家で安静にしていてもいいよなぁと思うかもしれません。他にも、「いつまで病院や施設で過ごさないといけないんだろう?」と心配に思ったり…とにかく、いろんな思いで「家に帰りたい」と考えても不思議ではありません。
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ところが、治療が終わっていなかったり、自宅で療養するには自己管理が難しいと判断される人の場合、病院スタッフからすると家に帰ってもらっては困ります。だから、治療が必要なことや、家では療養できないことを「説明」しますが、それでも患者が「家に帰りたい」と訴え続ければ、「理解力が衰えている」ととらえ、「ちょっと認知症があるんじゃない?」という話になることがあります。

聞き分けがない=「認知症」!?

確かに「認知症」があることで、説明された病状をうまく理解できなかったり、「●●しちゃいけない」という禁忌事項を忘れてしまうことがあり、結果的に病院スタッフにとっては「聞き分けがない」と感じることもあるでしょう。しかし、だからといって、高齢で聞き分けがなければ「認知症」ととらえるのは、適切とはいえません。

85歳を過ぎて徐々に体力が低下し、健康を害して入院された元大学教授の男性がいらっしゃいました。その方が、「まだ治療が終わっていない」と看護師から説明を聞き、退院することのリスクを理解した上で、「それでも、一度、家に帰りたい」と伝えました。

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しかし、看護師に適当に聞き流されていると感じた男性は、「若造が年寄りをバカにしよって」とご立腹でした。その方には、「認知症」を示す中核症状は、何一つなかったにも関わらず、看護師は「あの人、認知症があるから、聞き分けがなくて困っているのよ」と「認知症」のせいにしていたのですから、男性が聞き流されていると感じても不思議ではありません。

自分の限界を「認知症」で片づけない

医療や介護の専門家が、特に高齢者を相手にしていて、手に負えないと感じる場合や、聞き分けがないと感じる言動に触れると、そのエピソードだけをもって、「ちょっと認知症があるでしょうね」とジャッジするという文化が、いまの日本にはあるように感じます。皆さんはいかがですか?

「主たる介護者(夫)の言うことを聞かない」「説明したことを何度も確認してくることがある」というエピソードを聞いた医師が、認知症日常生活自立度で「Ⅲ」という判断をしていたケースがありました。詳細をケアチームに確認すると、「デイサービスで介護をする上で言うことを聞かないということはなく、スムーズに介護できます」「確認を繰り返すことは、新しい予定などであって、ご飯を食べたかどうかという確認などはありません」という情報が得られました。

「認知症」に伴う日常生活上の困難さが、明らかに認められないので、「Ⅲ」という判断は、やはり妥当とはいえないケースでした。

「認知症」で片づける前にやるべきこと

「主たる介護者(夫)の言うことを聞かない」ということであれば、夫の関わり方を一緒に振り返る必要があるでしょう。