介護現場の閉鎖的空間から一歩踏み出すことで未来は作られる!

2016年7月21日、日本医療企画より「介護を変える 未来をつくる カフェを通して見つめる これからの私たちの姿」が発刊されました。著者は、2012年から「未来をつくるkaigoカフェ」を主宰する高瀬比左子さん。

著者プロフィール

高瀬様プロフィール画像
●高瀬 比左子(たかせ ひさこ)さん
「未来をつくるkaigoカフェ」代表。大学卒業後、一般企業へ就職。「もっと人の役に立つ仕事がしたい」という思いが募る中、介護の道へ。2012年、ケアマネジャーとして働きながら、「未来をつくるkigoカフェ」を主宰。活動は口コミで広がり、介護関係者のみならず多職種、他業種を交えた活動には、これまで延べ3,000人以上が参加。小中高への出張カフェ、一般企業や専門学校でのキャリアアップ勉強会や講演、コラボレーション企画の提案やカフェ型の対話の場づくり、勉強会の設立支援も行う。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員。

ケアマネジャーとして働きながら、なぜカフェを運営しているのか、運営することで何が得られるのかという点から、介護現場の現実と今後の在り方について垣間見ることができました。また、通常の本とは違い、開催中のカフェの写真が随所に掲載されているため、カフェに興味がある方には特にオススメです。

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カフェを運営する意味

何よりもまず目にとまったのは、本作の帯にある「介護の仕事はホントに3K!?」の文字です。『きつい、給料が安い、汚い』と言われる介護職ですが、著者の高瀬さんは、現在もケアマネジャーとして介護現場で働いています。

高瀬さんは本作の中で、介護職員としての葛藤を以下のように書いていらっしゃいます。

上司にどう思われてるだろうか、同僚に批判されないだろうか、組織の慣習やルールからはみ出していないか。
そんなことばかり考えていると、これが「自分のしたかった介護」なのか、一生の仕事として続けられるのか、このままでいいのだろうかと疑問が湧きます。

3K以前に、「自分のしたかった介護と現実のギャップ」という壁が存在します。葛藤するにしても、ひとりで考え、悩みを抱え込んでも答えは出ず、高瀬さんは行動に移します。

自分と職場だけの世界から表に出てみたら、呼吸がラクになりました。
自由な発想で、自分の思いを表現している人がたくさんいて、人の話を聞き、知らないことを学ぶのが楽しかった。

仲間がいる、自分の思いを語れる場所があることで、周囲のマイナスな言葉に流されず、自分を確立し、介護職に邁進している印象を受けました。

カフェで見つけたこと

介護について話し合う場を作り、次なるステップとして未来について考えるようになったとのことです。

私もかつて利用者本位のケアができない職場で勤務していたとき、“八方ふさがり”を変えたい気持ちをSNSで発信し、カフェを開くようになり、仲間を得て、未来を見出したのです。

言うまでもなく、これからの介護職にとって、他職種との連携を考え、行動することがスキルアップに必須です。対話では、介護も看護も、ともに知り合い、それぞれの専門性について理解を深め、同じ方向を向いていくことが必要だと共有しました。

多職種・他業種の方が集まる、カフェの活動を通して得た情報や知恵を持って、現在の介護業界に警鐘を鳴らしていらっしゃいます。

カフェを開催することで磨かれる感覚

まずは、自分自身と向き合い、ひとりの時間の中でカフェのイメージ、やりたいことの整理をするとよいと高瀬さんは言います。そこで最初の難関は、人を集めることではないでしょうか。

人を集めることに関しても、本作では言及しています。さまざまな方法が例として記載されているため、個人にあったものを見つけられるかと思います。

事業所では全員が集まってミーティングをすることもままならないことが多いものです。「職場で」というより、「同じテーマを共有できる仲間で」と考えてみるのが現実です。

さいごに

日々業務に追われ、「本当の介護」とのギャップに悩んだすえはじめたカフェという活動。カフェ開催は4年をむかえ、周りには同じ悩みを抱えた仲間が集まるようになり、ピンチはチャンスという言葉の通り、変化のため動いていらっしゃいます。

有言実行されている高瀬さんの活動を、今後も応援していけたらと思います。

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認知症ONLINE 編集部

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