「拒否=固い意思」とは限らない!?~手がかりを見つけるコツ~

by 裵 鎬洙裵 鎬洙 5997views

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【当たり前に気づくために】

家族にとっては
当たり前すぎる本人の習慣も
ケアのアイディアを
編み出す上での大切な情報。

ただ、当たり前すぎて
自分では何が個性的かがみえづらいので、
介護スタッフが引き出す
コミュニケーションが大切。

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「意識的選択」と「無意識的選択」

「人生は選択の連続である」

シェークスピアの名言、皆さんもどこかで耳にしたことがあるでしょう。確かに、“人生”においては、進学、就職、結婚など、大きな選択を求められる時期が何度かおとずれます。

では、照準を日頃の“生活”に合わせてみましょう。「今日のランチはカレーか、パスタか」「この人の誘いに乗るか、乗らないか」と選択をせまられたとき、自分で考えて、意識的に決めること(意識的選択)があるかと思います。

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ところが、よくよく振り返ってみると、一事が万事、意識的選択ばかりではないことに気づくはずです。つまり、「○○せずにいられない」「○○するのがフツー」というように、考えて決めているよりも、ほぼ瞬間的に、自動的に、意識せずに選択していること(無意識的選択)も結構あるものです。

  • トイレットペーパーを巻き取る回数
  • お風呂で身体を洗う順番
  • 歯磨きにかける時間
  • コップの水を飲む一口の量

この無意識的選択の背景のひとつに、その人の「習慣」があります。しかし、その「習慣」は、あまりにも当たり前すぎて、本人や家族では自覚できていないことも少なくありません。だからこそ、「本人のこだわりや習慣には、どんなものがありますか?」と投げかけても、なかなかピンとこないことが珍しくないのです。

「拒否」という言葉の落とし穴

服薬にせよ、入浴にせよ、「拒否」という言葉で表現することってありますよね。では、皆さん、自分のことに引き当てて考えてみましょう。最近、「拒否」したことを思い浮かべてみてください。

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わたしは、疲れて帰ってきて、一息ついているところに、子どもに遊ぼうと誘われた時に、「ごめん、今日はしんどいから明日にして」と断ったときのことが思い浮かびました。他にも、飲みに行こうと誘われたものの、気分が乗らなくて断ったこともありました。

いずれにせよ、わたしに思い浮かぶのは、自分で考えて、決めて、断ったこと、つまり「意識的選択」でした。そのため、多くの場合、「拒否」という言葉で表現するとき、そこには「相手の意思(意識的選択)がある」ということが前提になっているように思います。

しかし、ほぼ瞬間的に、自動的に、意識せずに選択していること(無意識的選択)もあるはずです。「昼食後に歯磨きをしないのがフツーだった」という人が、昼食後も歯磨きをするように迫られたら、「拒否」するかもしれません。「食前に仏前にお供えをしてから食べるのがフツーだった」という人なら、それをせずに食事を勧められても「拒否」するかもしれません。

わたしたちの意識の中では、「拒否=意識的選択」という公式が成立しまっているように思うのですが、実は無意識的選択の可能性もあるのではないでしょうか?

自分でも気づいていないことに気づいてもらうコツ

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クセや習慣は、無意識的選択の象徴でもありますが、「どんなクセや習慣がありますか?」と質問してもピンとこないものです。そこで、相手が自分でも気づいていないことに気づくように質問するコツとして、「例えば…」と、具体的な習慣を例示するという方法があります。

  • 「食事の締めは好きなおかずで」
  • 「湯船に浸かるのは1~2分が限度」
  • 「仏壇にお供えしないと食事をとらない」
  • 「部屋に入るとすぐにTVをつける」
  • 「貴重品は枕の下に置いて寝る」

さいごに

例示があると、無意識的選択が思い出しやすくなりますのでおススメです。そして、この例示が上手い人は、自分の些細なクセや習慣を自覚しているものです。「相手を知るためには、まずは自分のことを知ることから」ですね。些細なことがケアのヒントになりますので、ぜひ試してみてください。

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裵 鎬洙
アプロクリエイト代表 認知症介護コーチ&講師 コミュニケーショントレーニングネットワーク講師 介護支援専門員実務研修講師 介護支援専門員専門研修講師 介護職員初任者研修講師 【略歴】  関西学院大学卒業後、訪問入浴介護サービスを手がける民間会社に入社。その 後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどで相談業務に従事。コミュ ニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にてコーチング/コミュニケー ションのトレーニングに参加し、専門職のあり方が利用者にどれほど影響するか を実感。  現場での臨機応変な対応につながるコミュニケーションセンスやケアの観点を 一人でも多くの人に届けるべく、研修・セッション・執筆等を行っている。介護 福祉士・介護支援専門員・主任介護支援専門員。
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