脳血管性認知症で要介護5、左半身麻痺・嚥下障害の父をシングル介護している娘のすーちゃんです。集団になじめず、デイーサービスもショートステイも使っていない我が家では、買い物に出かけるのも大変です。なぜなら、父一人でお留守番ができないから。
でも、その大変のなかに、父と私の日常がたくさん詰まっているんです。今日はそんなお話です。
やっちゃった…買い忘れ発生!
普段、洗剤やトイレットペーパー、調味料やお米などはネットスーパーで、牛乳やヨーグルトなどは宅配を利用しています。生鮮食料品や実際に見て買いたいものは、ヘルパーさんがいる時間帯に1人で買いに出かけます。
でも、慌て者の私ですので、買い忘れてどうしよう?状態になることも多いのです。
ある日、どうしても必要なものを買い忘れてしまったんです。父の体調もよかったので、それならと、一緒に買いに出かけることにしました。自分の行きたいとこだけに行きたい父。気に入らないと「帰る」「帰る」と騒ぎだすのもわかっているのだけど、頼み込んで一緒に出かけました。
父ちゃんと行く買い物
「そうだ!ベッドの横に置くごみ箱が欲しかったんだ」
と、買い物ついでに、父にごみ箱を選んでもらいました。父が選んだのは、ふた付きのもの。蓋が平らになってるので、ティッシュなど置いておけてとっても便利。多分、私1人で買いに行っていたら選んではいないもの。帰ってから、父に言いました。
「お父さんの選んでくれたゴミ箱、とっても便利ですごくいいよ。」
何をするにも人の手助けのいる父。すぐにイライラして手がでちゃう父。一緒に買いに行ったことは忘れてしまったかもしれないけれど。私が喜んでいること、自分が役に立ったってことは嬉しかったみたいです。
目がきらきら。父ちゃんの好きな場所って?
それからは、時々一緒にお買い物に行きます。もと農家の父。野菜売り場では目がきらきらしますよ。
「お父さん、どれが美味しい?」
人参、きゃべつ、きゅうりに大根…なんでもどんどん籠に入れていくので、2人家族の我が家では食べきれないほどいっぱいになってしまいます。そんな時は、こっそり後ろから私が棚に戻していくんだけどね。なんだか、イキイキしている父に嬉しくなります。
レジでお姉さんにお金を渡すのも、父にお願いします。品物が全部レジを通るまで待ち切れず、籠の中にお金を投げてしまうこともあるのだけど、お金を握りしめて待ってる父はなんだかとても真剣です。
一緒にお祝いやパーティーもします
そうそう、父の日にはビールを買いましたよ。嚥下障害のある父だけど、とろみをつけて乾杯!
お誕生日には、おかゆペーストをちょっと固めて「なんちゃって寿司」を用意しました。
時には私の友人を呼んで餃子パーティー。父は私の友人を自分の友達って思ってて、それは嬉しそうにします。
さいごに
認知症といわれる状態になっても、介護が必要になっても、介護する人、介護される人だけじゃないものね。一緒に生活する家族。
『お父さんはお父さん』
もちろん介護家族も、認知症についていろんな知識を知ったり勉強することも大事。「どうしたらいいの?」状態の時、「そうそう。こうしてみよう!」って思えるものがあると慌てなくっていいものね。
でも、いい天気の日には一緒に散歩に出かけたり、一緒に買い物に行ったり、旬のおいしいものを食卓に並べたり、季節の行事を楽しんだり。そんな日常をともに過ごすことが大事なのかな?と思っています。
前回記事:笑って父ちゃん!脳血管性認知症の介護体験談~父とお助けグッズ~


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