2016年6月、愛知県豊橋市は、認知症になっても今までと変わらずに楽しみや生きがいをもち、できるかぎり住み慣れた家で暮らすことができるまちづくりを目的に、「知って安心 認知症ガイドブック」を発刊しました。
豊橋市は2016年4月1日の時点で、高齢化率は24.0%と超高齢社会(高齢化率21%以上を指す)をむかえました。認知症が他人事ではなくなった今、認知症の進行状況に応じ、豊橋市でどのようなサービスや支援を利用できるのか、相談窓口はどこになるのか等の情報をまとめたものが「知って安心 認知症ガイドブック」です。
認知症で悩む方をひとりでも多く救いたい!
今回、「知って安心 認知症ガイドブック」作成にあたった、愛知県豊橋市の認知症施策推進検討部会委員をしている、三浦千歳さんはこう言います。
ご本人のみならず、ご家族様を筆頭に、介護に携わる多くの皆さんをも救いたいと考えています。それには市民の皆様の理解を得るためにも、「認知症の初期対応の大切さ」をどうしても広める必要があります!
痴呆症から認知症に名称が変更し、12年が経とうとしています。次なる課題は「認知症」に対する正しい知識の浸透ではないでしょうか。症状を過大させ、間違った知識として流さないことが、情報を発信する上で重要になってくるのではと思います。
日本全体が認知症高齢者等にやさしい街になるように
前述の三浦さんは、愛知県豊橋市内で認知症専門デイサービスを運営している、有限会社小さな家千歳の運営統括責任者でもあり、日々、認知症の方やそのご家族と接していらっしゃいます。
ガイドブック作成のきっかけについて、以下のようにお話くださいました。
認知症高齢者等にやさしい街作りは、決して自治体様任せにしてはならず、認知症を有する方やそのご家族様をよく知る、私ども有識者が、ご本人様やご家族様の立場を代理して、また一市民の我が身事として積極的に活動していかなければならないことだと考えています。
ガイドブックの掲載内容
認知症の進行状況に応じて、利用できるサービスや支援等が掲載されています。以下、ガイドブック内項目になります。
- 認知症ってなに?
- いつまでも自分らしくイキイキと!
- どこで受診できるの?(認知症の相談ができる医療機関一覧)
- 口の中やお食事でお困りごとはありませんか?(訪問歯科診療の案内)
- 私のまちの相談窓口(地域包括支援センター、まちかど相談薬局、電話相談)
- 活用できるサービス、制度一覧(認知症の状態別)
- お役立ち情報(税の控除等)
- 認知症の予防・進行を遅らせる習慣とは?(生活習慣・口腔ケア)
- 認知症にやさしいサポーター店
さいごに
認知症の地域包括ケアについて、自治体ごとに取り組みは進めているものの、情報の発信手段がないため、一般市民の方まで届いていないのでないでしょうか。これからますます超高齢社会をむかえる地域が増えてくる中、今回の豊橋市の取組みが、より注目されればと思います。

認知症ONLINE 編集部

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