認知症は予防できる!早期発見のカギは「歩き方」にあり

認知症カバー帯

認知症になったら有効な治療法はなく、薬で進行を遅らせるしかない、というのが従来の常識でした。しかし、最近の研究で、初期の段階で対処すれば、認知機能の低下をくい止め、さらに症状の改善も可能であることが明らかになってきました。

アルツハイマー型認知症の原因はいまだ解明されず…

認知症の代表的疾患であるアルツハイマー型認知症。その治療薬については、世界中の製薬会社が開発を競ってきましたが、いまだに成功例はひとつもありません。その理由は、根本的な原因がいまだに解明されていないからです。脳内にアミロイドベータが蓄積し、それが脳細胞を死滅させると言われていますが、まだまだ分からない点が数多く残っているのです。

アルツハイマー型認知症の発症は「最終形態」

しかし近年、ようやく「発症のメカニズム」が徐々明らかになってきました。アメリカにおける研究で、アルツハイマー型認知症は発症までに20年以上もの長い時間をかけて進行することが明らかになりました。つまり、アルツハイマー型認知症の発症とは「病気の最終形態」であり、そこで治療を始めてもすでに手遅れだったのです。

治療のラストチャンスはMCI

そこで注目されてきたのが、MCI(軽度認知障害)です。MCIは認知症になる一歩手前の段階で、日本には400万人ものMCIの人がいると言われています。なぜMCIが重要なのかというと、ここで対処すれば認知症の進行をくい止めるだけでなく、症状を改善することができることがわかったからです。実際フィンランドでは、運動や食事、脳トレを組み合わすことで、MCIの人の認知機能を25パーセントも回復できた例が報告されています。まさにMCIは、「認知症治療のラストチャンス」なのです。

しかし、問題がひとつあります。それは早期発見が難しい点です。MCIの人は認知症患者と違ってふだんの生活に支障はないため、加齢による「もの忘れ」との違いを見分けることができないのです。現状では、専門医による問診や認知機能検査に頼らざるを得ません。

MCI発見の手がかりは「歩き方」

ところが、意外なところにカギがありました。それは「歩き方」です。認知症になると歩行が不安定になり、歩行速度が遅くなることがわかったのです。危険な速度は、「秒速80㎝」。目安となるのが、横断歩道を渡る時間です。信号機は通常、秒速1mで渡れるように設計されているので、以前は楽に渡れたのに、信号が赤になるまでに渡り切れなくなったら、要注意です。

それ以外にも、日常生活のちょっとした異変から、MCIの人を見つける方法があります。

  • 外出するのが面倒になる
  • 外出時の服装に気をつかわなくなった
  • 同じことを何回も話すことが増えたと言われる
  • 小銭での支払いが面倒でお札で支払うことが多くなった
  • 手の込んだ料理をつくらなくなった
  • 味付けが変ったと言われる
  • 車をこすることが増えた

この中で、三つ以上該当するものがあったら、MCIの疑いがあります。

さいごに

詳しい内容は、青柳由則著『認知症は早期発見で予防できる』(文藝春秋)をお読みください。著者の青柳さんはNHKの科学・環境番組部のチーフ・ディレクター。6年にわたって世界中の研究者を取材し、認知症治療の最前線をNHKスペシャル等で紹介してきました。本書はその集大成とも言うべき一冊です。

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認知症ONLINE 編集部

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