認知症の人のテーマパーク!オランダの『ホグウェイ』って?【世界の認知症ケア】

【アイキャッチ】ホグウェイ

認知症は、日本だけでなく、世界で共通した社会課題。認知症ケアにユニークな試みをしている国もたくさんあります。今回紹介する『ホグウェイ』とは、オランダのアムステルダムにある介護施設です。入居者はなんと全員が認知症。認知症の人たちだけが暮らす“村”として、世界中から注目されている福祉施設です。その取組みの多彩さは、「認知症の人のテーマパーク」と言われるほど。気になるホグウェイの中身を、見てみましょう!

認知症の人だけが暮らす村『ホグウェイ』とは?

ホグウェイとは、オランダ・アムステルダム郊外にある認知症の人専用の老人ホーム。2012年から“認知症の人だけが暮らす村”として、世界中で紹介され、一躍国際的に有名になった福祉施設です。

このホグウェイのコンセプトは、「認知症の人が“普通の日常”を送れる村」。スーパーや映画館、レストランなど、生活に必要なものが全て揃った一つの村として作られており、重度の認知症の人たちが、敷地内を自由に行動できる環境です。

入居者約約150人に対して、ホグウェイで働くのは約240人のスタッフ。ナース服や介護服は着用せず、“住民のひとり”として入居者に接します。スタッフは全員、認知症の人への接し方について熟知した認知症ケアのプロ。例えば買い物の時に財布を忘れても、お釣りが計算できなくなっても、きちんとフォローすることができます。

hogwey
ホグウェイの敷地内にある庭には、巨大なチェス版が。(画像参照元:hogwey公式サイトより)

「都会派」「インドア派」「芸術派」・・・自分に合ったライフスタイルを選べるしくみ

ホグウェイの大きな特徴として、入居者のライフスタイルを7つのユニットに分類し、似ている価値観の人同士で生活をともにできる仕組みがあります。7つのライフスタイルは以下のとおりです。

  1. 都会暮らし派(Urban)
  2. インドア派(Homely)
  3. 芸術や音楽を好む文化派(Cultural)
  4. インドネシアタイプ(Indonesian)
  5. 富裕層(Well-to-do)
  6. 伝統重視の保守派(Traditional)
  7. クリスチャン(Christian)

ライフスタイルによって、住む部屋のデザインも変われば、生活する場所も変わります。入居前に家族や本人が答えるライフスタイルに関する40項目の質問をもとに選択でき、入居後に別のユニットに移ることも可能なんだとか。これまでの生活の延長線上で過ごせることが、入居者や家族の満足につながっているようですね。

気になる費用は、月額約70万円

ホグウェイの入居費用は、月額約70万円。年間では約840万円(!)かかる計算です。なかなか、一般の家庭では手が出ないレベルの価格帯ですが、これは居室代、食費、医療費、介護費、すべて込みの価格。高いと取るか、お手頃と取るかは、一人ひとりの価値観によって異なりそうです。

また、スタッフの体制は約240名で、常勤は170名、夜勤は入居者30人に対して1人という配置とのこと。日本では要介護者3人に対して介護職員1人というのが一般的なことを考えると、入居者の「自立」を前提としている介護スタンスが伺えます。

「閉鎖的では?」という批判の声も・・・

徹底したライフスタイルへのこだわりで、認知症の人がストレスなく過ごしやすいというメリットがある反面、地域住民との接触がないというデメリットも指摘されています。敷地内で全てが完結している「テーマパーク型」であるからこそ、本来あったはずの社会とのつながりが持てないことに、違和感を感じる人も少なからずいるようです。日本の介護施設で行われている、職員の人たちと一緒に商店街に出て買い物をしたり、近隣の保育園とつながりを持つといった「地域共生」の取り組みも、引き続き大事にしつつ、世界の多様な価値観を受け入れた介護ができると素敵ですね。

★実際にホグウェイで過ごすお年寄りたちの様子は、下記の動画でチェックできます

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認知症ONLINE 編集部

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