お年寄りの薬は何故あんなに多い?私たちがかかりつけ医に期待すること

どんなお医者様に掛かっていますか?

最近、お医者様との付き合い方が、変わって来ているようです。昔は、地域の総合病院や、大学病院へも気軽に行く事が出来ました。しかし、後期高齢化社会を迎えた今、どこの病院も常に患者で溢れています。気軽に病院にかかろうと思っても、数時間待ち…ということも珍しくありません。その結果、本来の総合病院の役割ともいえる重篤な病気への対応がなかなか難しくなっているようなのです。

そうした現状を打破すべく、「紹介状が無い場合は診ない」「ほかの医療機関への通院を促す」など、色々な策を講じる病院が増えています。それでも患者数はなかなか減らないため、「いつ来ても満足に診察してもらえない」といった、私たち患者側の不満も無くならないのです。

お年寄りの薬はなぜ、あんなに多いのか

介護の現場にいた時、利用者のお年寄りが服用している薬の種類の多さに驚いたものです。食後に十数種類の薬を飲んでいただかなくてはいけない…ということも日常茶飯事でした。

最近の医療は、大学から専門の診療科目が分かれてしまい、様々な症状を横断して診られるお医者様が少なくなって来ています。その為に、大病院での専門外来が通常化してしまっています。65歳以上の方の多くは、4つ以上の診療科目に掛かっているといわれます。血圧なら内科。泌尿器の事なら泌尿器科。認知症の事なら、脳神経外科。症状に問題があれば精神科。腰が痛いと、整形外科。といった具合です。

このような状況では、お薬ばかりが増えてしまい、なかなか症状が改善しない慢性疾患が増えていくばかりです。

通院にお付き合いした際にも、
「待ち時間が長いのに、話を聞いてくれるのは、数分」
「患者の顔も見ずに、パソコンの画面ばかり見ている」
そんな声をご利用者様から、聞くことも多々あります。

地域の「かかりつけ医」の役割が広がっている!

では、どのようなお医者様が理想なのでしょうか?

いろいろな症状を診る事が出来て、ご家族の事なども分かってくれる。予防にも積極的にアドバイスをくれたり、個人的な話も聞いてくれて、看取りまで頼れてしまう…そんなお医者様がいたら、とても助かりますよね。

今、病院で治す医療から地域で暮らしを支える医療に世の中の軸足が移りつつあります。そんな中で、注目されているのが、地域のかかりつけ医の存在です。

特に認知症においては、

  • 早期のタイミングで気付き役になる
  • 健康についての心配事があった時に適切な相談相手となる
  • 高血圧や糖尿病などの慢性疾患の継続的診療
  • ご家族の精神的な支えになる
  • 周辺症状などで困る場合は適切な専門機関へ繋ぐ

といった役割が期待されています。
現状、認知症に関しては、症状が悪化してからやっと受診する人が少なくありません。きちんと早期発見・早期治療を行い、適切な医療や介護のルートに乗せることができるのは、かかりつけ医だからこそできることです。

ちいさなコミュニティの可能性

私たちが認知症の医療に期待すること。それは、病気そのものを診て欲しい、ということももちろんありますが、多くの認知症の方や、そのご家族は、話を聞いて受け止めて欲しいのだと思います。

これから、ますます認知症と診断される人が増えていく中で、困ったときにすぐに駆け込める場所があるということは、私たちにとってとても心強いことです。私達の暮らしのそばに、信頼できるかかりつけ医がもっと増えることを祈っています。

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いのうえひとみ

いのうえひとみ

介護福祉士。2児の子育てをしながら資格を取得。NPO法人理事、訪問介護事業所サービス提供責任者を経験後、平成19年に小規模通所介護事業所の立ち上げに関わる。管理者・相談員を務める。外出行事や趣味に特化したプログラムを企画。平成27年、より多くの人をサポートしたいと独立。現在、介護保険外の外出サービス「サンキュウハンド」代表
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