要介護認定とは介護サービスの必要度を判断するもので、介護家族にとってとても大切なイベントです。ところがわたしは、その大切さを知らずにある失敗をしてしまいました。
わたしの要介護認定失敗談
当時、要支援1だった母にケアマネさんと2人で再度、要介護認定を受けてもらいました。理由は、認知症と医師に判断されたからです。遠距離介護が始まったばかりの私は、立ち会わずに東京で仕事をしていたのですが、市の調査員の電話にびっくりしたのです。

調査員
樹木希林さんの認知症のCMで、『先生の前だと、シャンとするんですよ』というセリフがありましたが、母はCMどおり調査員の前でシャンとしてしまったのです。できないこともできる、何ひとつ不自由なことはないと言ったそうです。
それから3年後、再び要介護認定を受けたときも、予想外のことが起きました。

調査員

母
72歳、正解です。病院の認知症テストで2年間1度も当たらなかった年齢を、よりによって要介護認定の日に当てるという奇跡を演じたのです。しかし、今回はわたしが立ち会ったので、

くどひろ
本人を目の前にして言いたくはなかったのですが、訂正しました。訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ、デイサービスを利用している我が家にとって、調査時の「偶然の受け答え」で介護度が低くなって介護サービスを受けられなくなるのは困るのです。立ち会った結果、要支援1から要介護1に要介護度がアップしました。
最初の失敗経験を生かして、要介護認定の日は必ず実家へ帰省して立ち会うようにしてます。
家族として、調査員には事実を伝える。見栄をはらない
わが家の例のように、認知症の当事者の方が自分をよく見せようと、できないことをできるというケースがよくあります。
普段の状態を分かっているご家族ならば、その場で事実を伝え、訂正することができます。もし、本人が怒ってしまうようであれば、普段の様子を紙に書いて調査後に渡すのもいいでしょう。とにかくありのままを伝え、調査員に理解してもらうことが大切です。
「認定調査票」がネット上にあるので、調査員がどういう質問をしてくるか想定できます。回答を準備しておくと、介護者も安心して臨むことができます。
また、家族が要介護認定を受けることを恥ずかしがり、現状よりもいい状態で申告してしまうこともあるようです。どちらのケースもそうですが、見栄を張らず事実を伝えることに徹することがとても大切です。
要介護認定シミュレーションができるサイト
安心介護というサイトの中に、「白ひげ先生のらくらく要介護認定チェック」というものがあります。無料会員登録したあとで質問に答えていくと、介護度が表示されます。うちの場合は、ぴったり合致しました。簡易的なものですが目安として使えるので、要介護認定前に一度シミュレーションしてみるといいかと思います。
今日もしれっと、しれっと。
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