介護と育児が同時襲来!ダブルケア日記vol.3【夫婦離婚の危機編】

by 満枝満枝 2849views
介護と育児が同時襲来!ダブルケア日記vol.3【夫婦離婚の危機編】

21年前、介護保険もない頃、若年性アルツハイマー病と診断された義母を介護していました。義母の介護そのものよりも、苦労したのが家族間、親子間、姉弟間での人間関係。すったもんだの毎日でした。特に夫との関係はこじれて、離婚の危機にも直面しました。当時日々を少し振り返りたいと思います。

会話不足が、夫婦関係を壊す

主人は、出張や残業が多い勤務だったので、家庭内の状況把握は妻である私からの一方的な情報が主でした。主人が帰宅すると、その日の義母の状態や、アルツハイマー病を受け入れられない義父の様子を私が話して聞かせる、という具合です。

しかし、これがなかなか上手くいきませんでした。

  • どうしても話に私の主観が入ってしまう
  • 私には深刻でも、主人には大したことない、等受け取り方が違う
  • 義母への介護の考え方が大きく異なる(義母への深い愛情は同じなのに)
  • 仕事で疲れて帰ってきた中、愚痴や後ろ向きな発言を聞きたくない、という態度

一言で言えば、当時、家族間のコミュニケーションが不足していました。そのため遠慮や、誤解、思い込み、自分本位などが横行し、トラブルが絶えませんでした。

また、たまに来る義姉たちには、義母の病状は見えていませんでしたし、義父や義母の言葉だけで、アドバイスや問題解決を図ろうとするため、トラブルは一層深刻化、激化していきました。

そんな時、当時妊娠していた第三子を死産し、私たち夫婦は、とうとう離婚の危機を迎えました。何を大切にしていいのか、何が大切なことなのか…家族の誰もがわからなくなってしまった時期だったかもしれません。

離婚の危機を救った夫の選択

離婚の危機を脱したのは、『親を見捨てられない』『子ども達を夫婦で育てていきたい』と強く願った主人が、職場に配置転換希望を出したことがきっかけでした。出張なしの部署に異動し、残業を極力しなくなったのです。

配置転換は不本意なことだったと思いますが、そのおかげで、ほぼ毎日義父と主人が話をすることが可能になりましたし、家族間のコミュニケーションが増えていきました。義父だけではなく、幼い子ども達との時間もとれるようになりました。(余談ですが、転職することなく今も勤務は続いていますし、元の部署に戻っています)。

その当時を思い出すと、《よくぞ乗り越えた》と、自分たち夫婦を褒めてあげたい(笑)結婚生活を続けることと、離婚・別居などは本当に紙一重で…少しでも選択を誤れば、大きく違った未来を作ることになると実感しています。

義母の症状を好転させた「デイケア」

この後、義母は月に一度の保健所主催の《高齢者対象の集会》に通い始め、その後、精神科を主とする病院が主催する《老人デイケア》に週に1回通う様になりました。

その頃の義母の年齡は50代。80代前後の方々の中に参加させることへの違和感を身内は持っていましたし、本人も行くことを渋っていました。

しかし、通い始めると、利用者というよりスタッフの様な動きをし始めました。高齢者の方々のお世話をし、にこやかに歌を歌い、よく喋りよく笑っていました。通所先に迎えに行くと、利用者の方々は手荷物や上着を着て椅子に座って帰る準備をしていましたが、義母は机を拭いたり椅子や道具を片付けたり動き回っていました。自宅では見たことがないほど、手際良く朗らかに動き回る光景に、当時の私は驚くばかりでした。

義母にとっての老人デイケアは、

  • リラックスできる場所
  • 役割がある場所
  • 認めてもらえる場所
  • 役に立っていることを実感できる場所

だったのかもしれません。自宅では、義父からのダメ出し、戸惑い、無力感を感じる場所であり、ゴタゴタした中で息子家族への遠慮や不満で、居場所がなかったのかもしれません。

介護も育児も「分担」が大切

義父は、義母が通所先でイキイキとしているということが信じられなかった様で、通所回数を増やすことには反対でした。しかし義母の状況、病院側からの勧めもあり、週に1回から3回に通所回数を増やしていきました。そしてだんだん落ち着いた生活が出来る様になりました

介護保険が始まってからは、介護度によって保険対象額に制限があるため、ケアマネージャーと相談しながら義母にとって、家族にとって最善な方法を一緒に考えていただいていました。

介護も育児も、『子だから…』『嫁だから…』『夫婦だから…、』『女だから…』と、一人で抱え込むことではないし、一人に押し付けるものではないと思います。

一人の人を介護したり育てたりするためには、性別や立場などの固定観念に縛られることなく、親族であろうが他人であろうが事業所であろうが、《できることをできる人がすること》《一人が何役も兼務することは避けること》そして《認め合うこと》が必要なのではないかと思うのですが…

そのうえで、専門職との関わり、専門的な知識や情報は必要なことだと思っています

特に在宅介護の場合、ケアマネージャーの存在はとても大切で、介護の質さえも大きく左右してしまうのではないかと思います‼︎

▼参考までに…

認知症で頼れるケアマネジャーを探す時のポイント

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満枝

満枝

1961年生まれ。若年性アルツハイマー病を発症した義母の在宅介護を21年間山あり谷あり続行中。育児と介護を同時に行うダブルケアの経験者。現在、育児は卒業。在宅介護で潰れそうになった経験から、《育児も介護もたくさんの目と手と心が必要》と実感。現在は、認知症サポーターメイト、民生委員経験者として、その思いを発信中。
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