認知症になっても大丈夫!!!って教えてくれたポジティブばあちゃんの話

認知症になっても大丈夫!って教えてくれたポジティブばあちゃんの話

介護福祉士の仕事に就く前は、「認知症」に対して重たくてネガティブなイメージしかなかった。専門学校では認知症の理解っていう分野もあったし、実習では実際に現場に出て、認知症という病気がどんなことなのか?ってことはそれなりに勉強もしてきた。けど、やっぱり、心の中では自分のじいちゃんやばあちゃんには絶対になってほしくないな~って思ってた。でも、勤め先の特別養護老人ホームで、あるばあちゃんと出会って、考え方が変わった。

「認知症」を笑い飛ばす、超カッコいいばあちゃん

そのばあちゃんは、認知症なんだけど、いつも明るくてチャーミングで、「パパはもう帰ってきたかしら。パパにこれひとつ取って置いてね。」って、いつもいつも旦那さんのことを考えて、いつまでも旦那さんと共に生きてる素敵な方。いつも、わたしに「認知症になっても大丈夫よ♪」って教えてくれる。もちろん、ばあちゃんが直接そう言ったんじゃなくて、そういうメッセージを伝えてくれるんだ!!!ってことをここで言いたいんです。

昨日の朝も、いわゆる認知機能の障害で、トイレに誘導した時にトイレットペッパーを手に取りながら、トイレットペーパーをコップにしてうがいをしようとしたんだけど、わたしがそこで

「えぇ~!!(笑)それでうがいします?!(笑)」

って笑いながら言ったら、

「あはは。可笑しいわね!全く私はバカねえ。あはははは。」

って言ってた。こんな感じのやりとりが別の場面でもあって、そんな時、いつも決まってばあちゃんがいう言葉がある。

「だけど、わたしはいつもこうして笑い飛ばして生きてきたのよ。わたしはそうじゃなきゃいられないのよ~。」

こうやって自分のことを受け入れて笑い飛ばせちゃうばあちゃんが本当にカッコいい。わたしは、その笑顔を見るたびに、「認知症になっても大丈夫。」っていうメッセージを、このばあちゃんから受け取るの。

ポジティブを引き出せるかは私たち介護者次第

多分、わたしがあそこで

「何してるんですか?!これはトイレットペッパーですから!!」

とか言ったら、こんな反応は返ってこないと思う。

「正しい正しくない」より先に「この人怒ってる」

みたいなメッセージを相手が受け取ってしまって、

「わたしはおかしくない、間違っていない!」

っていうもともとの人間の本能だけが残って、すんなりと笑い飛ばしてもらえなかったかもしれない。「ポジティブな認知症」は、介護する私との良い関係性があるから引き出せるんだってこと。そしてそれは、私たち介護者次第だってこと。ばあちゃんから教えてもらった。

このばあちゃんに限らず、みんな認知症(自分自身)と向き合って生きてる。そんなじいちゃんやばあちゃんはやっぱり凄いし、こうして毎日じいちゃんやばあちゃんと”共に生きる”中で出来上がっていく1対1の関係づくりこそが、本当にクリエイティブだなって思う。そんな、人と人、心と心が繋がる現場がわたしは本当に好きです。

いつも笑っていられるわけじゃない。それでも。

もちろんこれは、このばあちゃんがもともと前向きな性格で、何事も笑って乗り越えて生きてきたからという話ではある。ポジティブ思考なばあちゃんだって、いつも笑っていれるわけじゃなく、怒って暴言や暴力がでることだって普通にある。

だけど、それでもわたしは「笑顔のばあちゃん」を知っているから、また本来の「笑顔のばあちゃん」になってもらうために、仕事をするわけです。

認知症ってその方の元々の性格によって症状が全く異なる。だから、こうして認知症と共に生きる方々と向き合う中で、全員から「ポジティブな認知症」のメッセージを読み取れるか?って言われたら、できない時もある。そんな良い話ばかりじゃないし、共に生きる時間が必要だと思う。

だけど、やっぱり、
「怒ってるじいちゃんばあちゃん」よりも「笑ってるじいちゃんばあちゃん」が好きだから、本来のじいちゃんばあちゃんの姿を見るために、いくら不穏とかおかしいとか言われてしまうじいちゃんばあちゃんの姿を見ようが、ご家族よりも一歩下がって冷静になって、少しずつ「ポジティブな認知症」を見つけて引き出していけたらいいな。って自分なりに思う。

「認知症=問題」モードをぶち壊すには

メディアを見ていて思うのは、

認知症=問題問題問題問題

っていうイメージで発信されすぎてる気がする。
このままじゃマズイよ日本!!どうする認知症…みたいな発信は本気でやめてほしいね。

だけど、それをぶち壊すには、介護の現場にいる私たち介護福祉士が立ち上がらねばいけないと思う。声を大にして、認知症のポジティブな面を発信していくこと。じいちゃんばあちゃんの代弁者となること。それこそが、最近世の中で必要性が叫ばれている、介護の専門性のひとつだって感じてる。

「じいちゃんばあちゃんと世の中を繋いでいるのは、私たち介護福祉士じゃーーー!!!!!!」って感じでね✌️✌️

いつだって、大切なことはじいちゃんばあちゃんが教えてくれる。生まれたときからずっとそう。ここまで読んでいただいて、どうもありがとうございました!(トップの写真は、私を育ててくれたじいちゃんばあちゃんです)

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川上 陽那

川上 陽那

介護福祉士。2015年に介護福祉士養成校を卒業後、20歳で上京し、都内の特別養護老人ホームに勤務。今年で2年目。2015年11月に都内の介護系イベントに登壇。2016年1月に中央法規出版「おはよう21」の3月号の表紙とインタビューを受ける。2016年3月に公開された、国境を越えた仕事(介護)を描いた映画「つむぐもの」に大きな影響を受ける。現在は施設に勤務しながら、自分が現場で体験していることと世の中の情報とのギャップを埋めるための活動をしている。旅が大好きで、将来は世界で働く「旅する介護福祉士」を目指す。
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