認知症介護と育児を両立!ダブルケアラー満枝の体験談 vol.1

by 満枝満枝 2248views
介護と育児を両立ダブルケア

はじめまして。56歳で若年性アルツハイマー病を発症した義母を在宅で21年介護しています、満枝です。2人の子どもを育てながら、介護と育児の両立するダブルケアを経験してきました。晩婚化、核家族化が進む今、今後子育てと親の介護を両立するダブルケアラーは増えていくと言われます。子育てが一段落した今、私の体験をお伝えすることで、何かのヒントをつかんでいただければ嬉しいですし、これからの自分自身の糧になれば…と願っています。第一回目の今回は、義母が、若年性アルツハイマーと診断されるまでのことを綴ります。

認知症の「に」の字も知らなかった結婚当初

同居生活開始
結婚して5年目を迎えようとしたその年に、義父母との同居が始まりました。新しい土地、新しい家で…。夢と希望に満ちた同居だったにもかかわらず、家族全員にとって落ち着かない日々が続きました。

それは、幼い子どもが2人いたからかもしれません。慣れない土地で知り合いがいなかったからかもしれません。義父が糖尿病で通院していたからかもしれません。しかし、大きな原因は、義母が、若年性アルツハイマー病だったことです。

30年以上専業主婦だった義母は良妻賢母で、義父にとっては申し分のない可愛い妻だったようです。我が家流の味を覚える様に、しっかり学んで欲しい、という義父の言いつけ通り、義母と台所で調理する日々が始まりました。その頃の私は、若年性アルツハイマー病はもちろん、認知症について何の知識も持ち合わせていなかったのでした。

「ん?!何かおかしい」台所で感じた違和感

料理
ある日、義母と一緒に台所に立っていた時。食材を、トントントンとリズミカルに切って鍋に入れ、水を入れ、味噌を入れ、だしの素を入れ、火をつけて煮立たせる…ん?!我が家流味噌汁の出来上がり…ん?!普通の手順とは明らかに違いましたが、私も料理が得意な方ではないし…と、指摘出来ませんでした。

またある時は、ソーメンを茹でる鍋が小さ過ぎて、鍋から出たソーメンが黒焦げに…ん?!違和感を抱きながらも、《会話》や《包丁さばき》や《味》や《盛り付け》はまともだったので、特に深く考えないことにしました。

しかし違和感を感じる機会は徐々に増えていきました。掃除をしようとホウキでゴミをまとめても、まとめたところにホウキとゴミを置きっ放し。これは…ん?!それからは、トラブル続きでした。義父への伝言を義母に頼んでも、義母は「聞いてない」と困惑するばかりで伝わらない…ん?!

さすがに主人に報告するものの、「そんなはずはない」「気にしすぎだよ」と聞き流されました。当時、子どもたちも3歳と2歳で育児も大変な時期だったので、モヤモヤしながらも立ち止まることなく、忙しい毎日を過していました。

アルツハイマー病が発覚した些細なきっかけ

保健師
ある時、義母と一緒に市の集団健康診断に行きました。若かった私は、健診の内容が少なく、すぐ終わりました。ふと、「保健師への相談コーナー」が目に止まり、義母を待つ間に行ってみることにしました。義母によるトラブルが続いていた当時、私自身もストレスが溜まっていて、誰かに相談に乗ってもらいたかったのです。

義母の不可解な行動と周りの無理解が辛いと、ひとしきり私の話を聞いてくれた保健師さんは、言いました。
「お義母さんは病気かもしれません。CTがある病院に一度連れていってみてください」
当時私は、そう言われてはじめて、病気の可能性を意識したのです。それまでは、義母の行為や周りの無理解をただただ嘆いているだけでした。

結局、近くの病院でCTを撮ると、アルツハイマー病の疑いが見つかり、大学病院の精神科で正式に診断されたのが、「若年性アルツハイマー病」。保健師さんのアドバイスから1週間も経たないうちに起きた、大きな出来事でした。

今だから言える。違和感から逃げずに病院に行こう

空
あれから21年。77歳になった義母は、いまでは要介護5で、全介助、意思疎通が困難な状態です。寝たきりの状態ですが、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ、デイサービス、ショートステイを利用しながら、自宅療養して過ごしています。

よちよち歩きだった娘は、今年就職し、社会人となりました。たくさんの時が流れました。在宅介護を振り返ってみると、反省することが多々あります。はじめて出会うことが多く、戸惑いの毎日でしたが、今も在宅介護を続けていられるのは、周りの方々の支援があったからです。特に、情報供給と親身になってくださるケアマネや各事業所の皆さん、主治医等々、大きく深く広がった縁に感謝しています。

認知症とひとことで言っても、症状や環境次第で、日々の生活は大きく変わります。でも、事前に情報があれば…、予測ができれば…、知識があれば…。本人、関係者、そして自分を大切にしながら、力を少し抜いて関わっていけるんじゃないかな?と感じています。

認知症は、早期発見が大きな鍵です。みなさんも、もし身近で違和感を感じたら、どうか目をそらさずに、ちょっと冷静に向き合ってください。私は、集団健診の保健師さんとの出会いに心から感謝しています。

★参考までに…
公益社団法人 認知症の人と家族の会《家族がつくった 『認知症』早期発見の目安》

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満枝

満枝

1961年生まれ。若年性アルツハイマー病を発症した義母の在宅介護を21年間山あり谷あり続行中。育児と介護を同時に行うダブルケアの経験者。現在、育児は卒業。在宅介護で潰れそうになった経験から、《育児も介護もたくさんの目と手と心が必要》と実感。現在は、認知症サポーターメイト、民生委員経験者として、その思いを発信中。
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