コウノメソッドで見る!レビー小体型認知症の治療例

by 河野 和彦河野 和彦 38686views
レビー小体型認知症とコウノメソッド

前回より、コウノメソッドの観点で、症状別の特徴と治療例について、お伝えしています。今回は、レビー小体型認知症の症例です。

前回記事:アルツハイマー型認知症の典型的な症状・改善例

診断と治療の難易度が高いレビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。認知症全体の2割を占めるとも言われています。

アセチルコリンとドパミンの2種類の神経伝達物質が脳内で低下していることが特徴で、認知機能の低下、パーキンソニズム(歩行障害)、うつ状態の3つの症状を引き起こします。具体的には、下記のような症状です。

  • 幻視 (例:実際にはいない無視や小動物、子供などが部屋にいると訴える)
  • 体の傾斜(左右に傾くことも。腕は前で固まることが多い)
  • 意識消失発作(意識が遠のき、うとうとする。表情が暗い目の焦点が合わない)
  • 薬剤過敏性(市販の薬が効き過ぎて寝込む、等)
  • 夜中の寝言が大きい、叫ぶ
  • 嚥下障害(食事中にむせる)
  • 病的な生真面目さ

これらの症状は、最初からすべて出るわけではありません。数年間はパーキンソン症状しかみられず、やがて認知機能の低下が加わるタイプもあります。典型的な症状が揃いにくいため、最初に出た症状をみて、「パーキンソン病」や「うつ病」と誤診されることも多くあります。このように診断が難しいレビー小体型認知症に対して、最適な治療が出来るのが、コウノメソッドです。

レビー小体型の難点「薬剤過敏性」は、「治しやすい」ということでもある

レビー小体型認知症を診る上で、特に注意しなければいけないのが「薬剤過敏性」です。レビーは薬剤への感度が高く、服用量次第では、認知機能を改善させようとアリセプトを通常量使うと歩行できなくなり、歩行を改善しようとパーキンソン病治療薬を使うと幻視が強くなり、うつ状態を改善しようと抗うつ剤を使うと認知機能が悪化する・・・というやっかいな特徴を持ちます。

薬の副作用リスクが高いレビー小体型認知症ですが、悲観することはありません。薬に弱いということは、少しの薬で劇的に症状が改善するということでもあります。適切な薬の処方を行うことができれば、「治しやすい」タイプの認知症とも言えるのです。コウノメソッドでは、レビー小体型認知症が疑われる場合は、薬剤の量を常識の1/3以下に抑えて処方して様子をみます。

実際の症例(完治に近い形で改善した84歳、女性)

5年前、79歳の女性が車いすに乗せられて初診しました。診察当時の様子は、下記の通りです。

初診の様子