同じ質問を繰り返された時に“イライラ”しない2つのコツ

【アイキャッチ】同じ質問にイライラしない2つの方法

************************
【ストレスがサインへとシフトする?!】

「妻の状態はどうですか?」と
1時間の間に何度も質問される場面に遭遇。

毎回
答え方を変えながら
「悪くない」ということを伝えてみた。

『妻を心配していることの表れ』
として受け取ると
繰り返しの質問にも愛情を感じた。

コミュニケーションから
何を受け取るかは
介護に大きく影響する。

************************

「理解しよう」とするからこそイライラする?!

「今日は何曜日?」
「ご飯まだ?わたし食べてないんだけど・・・」
 
 どうして同じことを何度も質問するのだろう?と思うことって、ありますよね。「そういうときは、ゆったりとした気持ちで、初めて聞くように返事をして・・・」と推奨されますが、実際にはイライラしてストレスを感じることも少なくありません。かろうじて、手を出さないまでも、口調がきつくなったり、表情が険しくなったり、無意識に反応していることもあるでしょう。

 そして、このイライラ、多くの場合、「理解できないこと」がきっかけになっていると思いませんか?

  • 相手の思いを理解しようにも、的を射た答えが返ってこなくて理解できない
  • 「これでいける」と思った方法がなぜうまくいかないのか理解できない

 裏を返せば、わたしたちが相手を「理解しよう」とする姿勢で関わっているからこそ、イライラが起きると言えるのかもしれません。

「理解」の邪魔をしている正体は・・・

 「理解しよう」とする姿勢だから、イライラするというのは、とても不思議なことのように思うかもしれませんが、少し振り返ってみると思い当たることがあるはずです。

本 例えば、本を読む時も、似たような現象が起きます。本から学ぼうとしているわけですから、基本的には、新しい情報に触れて、知識として蓄え、仕事や生活に活かそうとしています。でも、時々、本の内容がどうしてもアタマに入ってこないことってありませんか?文字は読めている。書いている単語は知っている。でも、「理解」ができない・・・。

 人間は、物事を理解しようとする時、まずは自分が知っていること、経験してきたことと照らし合わせる習慣をもっています。その範囲内であれば、すんなりと理解できるのに、その範囲を外れると、理解しにくくなります。その結果、イライラした気持ちが生まれるのです。

「脱イライラ」に必要な2つのコツ

認知症介護でストレスを溜めないための大切なコツは、次の通りです。

◆コツその1:『照らし合わせ』をやめてみる

比較する 「最近の若い連中は、何を考えているのかわからない」と言っている人を思い浮かべるとわかりやすいかもしれませんね。これも、「自分の知識や経験に照らし合わせてみても、到底、理解できない」ということですから、『照らし合わせ』は機能しないことがハッキリしているわけです。

『照らし合わせ』をやめてみるということは、「わからない」となった時点で、自分の知識や経験の範囲内で理解できないことなんだということをまずは認めるということです。

 例えば、今回の妻のことを何度も質問してくる男性の場合のように、同じ質問が繰り返される場合は、いろんなバリエーションの返答をするように心がけ、それでも繰り返されると、「さっきの返答は求めているものとは違うのね」と受け取るようにしています。自分の対応が「悪い」のではなく、「ただ、マッチしていないだけ」と受け取ることも、『照らし合わせ』をやめるとできるようになります。

◆コツその2:『素朴に疑問を抱ける自分』で関わる

好奇心 5、6歳の子どもと一緒にアニメを観ていると、「○○ってなに?」「△△ってどういうこと?」と、どんどん質問をしてきます。アニメの内容を理解する上で、自分が知らないことを理解したいと思って、質問をしてきます。そこには純粋な「興味・関心」がありつつも、照らし合わせる知識や経験がないので、素朴な疑問を抱くのでしょう。
 このことから、次のようなことが言えるでしょう。

【興味・関心がある+照らし合わせる知識や経験がない=素朴な疑問を抱く】

 つまり、『素朴に疑問を抱ける自分』であるためには、さきほどの『照らし合わせ』をやめてみるだけでなく、興味・関心があることも大切なのです。

 そして、相手の言動に興味・関心をもっているとはいえ、「相手の言動を、こちらが思うように変えてもらうには、どうすればいいか?」という目的のためにではなく、「そもそも、相手に何が起きているか?」という点に照準をあわせれば、ストレスと感じるような言動からも、ケアのヒントにつながるサインを読み取れるようになっていきます。

さいごに

 すでに、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは認知症ケアに限ったことではなく、夫婦、親子、同僚など人間関係全般においても言えることです。身近なところで、この2つのコツを身につける練習してみましょう。きっと、いままでとは違う感覚が養われることでしょう。

The following two tabs change content below.
ペ ホス (裵 鎬洙)
アプロクリエイト代表 コーチ/人材課題コンサルタント 「理由を探る認知症ケア」マスタートレーナー コミュニケーショントレーニングネットワーク講師 介護福祉士・介護支援専門員・主任介護支援専門員 【略歴】 兵庫県在住。訪問入浴介護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハ、通所リハ、訪問介護、介護老人保健施設等に従事。コミュニケーショントレーニングネットワークにて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、関わる人の内面の「BE(あり方)」が”人”や”場”に与える影響の大きさを実感。その学びと約20年の現場経験を活かした研修・指導には定評があり、これまでの参加者はのべ10,000人を超える。著書に「理由を探る認知症ケア~関わり方が180度変わる本~」がある。毎日新聞・医療プレミアでも連載中。

編集部おすすめ記事

この記事を読んだ人にぜひ読んでほしい、その他の記事

介護のお仕事

新着記事

Facebookコメント