「抗認知症薬の適量処方を実現する会」発足。副作用の実態調査へ

薬

今月8日、高齢者医療に関わる医師や弁護士らによって設立された一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」が会見を開きました。会見で、同法人代表理事の長尾クリニック院長の長尾和宏医師は、抗認知症薬の用法・用量について、増量規定を撤廃し、患者の症状次第で増減できるようにするための活動を展開する姿勢を示しました。

「増量規定によって造られた認知症が増えている」現状に警鐘

現状、日本で処方されている認知症の中核症状の進行を食い止める抗認知症薬は、4種類。どの薬にも、少量から投与を始めて、徐々に約1.7~4倍に増量していく「増量規定」が設定されています。

ただ、この規定通りに投与を継続すると、認知症の症状が悪化し、怒りっぽくなる、暴力行為が出る、嚥下障害が出る、といった副作用が見られることも多いのが現状です。一方で、薬の服用をやめたり、少量に切り替えることで副作用の症状が改善する人もいるといいます。

都道府県によっては、規定より分量を減らして処方すると、本来得られるはずの診療報酬が得られないこともあり、この「増量規定」がネックとなり副作用が出るケースが多く起きている状況です。本来、薬の効用を高めるための使用規定が、患者の症状を悪化させるような事態は本末転倒といわざるをえません。

今後、全国の医師、認知症患者の家族らと副作用の実態調査へ

一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」では、今後全国の医師や認知症患者の家族らに呼びかけ、副作用の実態調査を進めていく方針を表明。また、現状の初期期量の2~4倍まで増量する規定をなくし、患者の症状次第で1mg単位で増減できるようにするための活動を展開していくとしています。同会は、11月23日に設立総会を開き、実際の副作用の症例や、診療報酬の事例などを収集し、今後の方針を考える予定です。

薬の副作用の出方は一人ひとり違うため、個人差を考慮した処方の仕方は重要な問題。今後、認知症人口の増加が確定している中、薬物治療のあり方について、大きな問題提起がなされたことになります。今後の展開にも要注目です。

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認知症ONLINE 編集部

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