認知症の「妄想」の症状、知っておきたい3パターン

by くどひろくどひろ 42495views
【アイキャッチ】妄想の種類3パターン

認知症の母に現れる症状の一つに「妄想」があります。

妄想とは
1.根拠もなくあれこれと想像すること。また、その想像。
2.真実でないものを真実であると誤って考えること。
3.根拠のないありえない内容であるにもかかわらず確信をもち、事実や論理によって訂正することができない主観的な信念。
goo辞書より

母の妄想が増えていくにつれて疑問に思っていたのですが、生活とリハビリ研究所代表の三好春樹さんの著書 「まちがいだらけの認知症ケア」の中に、3つの「妄想」 のタイプが紹介されていました。うちの実例と合わせてご紹介しますが、人間の奥深さを知ることになりました。

1.被害者利得型

認知症の人自身が「被害者を装う」ことで、構って欲しい!大切にして!注目して!と思うタイプの 「妄想」 です。うちの母で最も多い、誰かに自分の物を盗まれたと思い込む「ものとられ妄想」 もこのタイプに該当します。

自分のことを構って欲しいという気持ちは、人間誰でもあるものです。通常は理性が働くので、これらを抑えながら生活しているのですが、表に出てきてしまうんですよね。

2.心理的負担解消型

被害者利得型を見て、次にこれを見ると 「認知症の方の心の中は複雑だなぁ~」 そう思うはずです。被害者利得型とは真逆の発想で、

「大切にされすぎると、今度は心理的な負担を感じる」

というものです。構わないのもだめ、構い過ぎるのもだめということです。母は、いつもお世話になっている看護師さんさんに対してなぜか

「あの看護師さんに、この前怒られた!結構ピリ辛な人だった」

とか突然言い出します。これももちろん妄想なのですが、最初は意味が分かりませんでした。でも心理負担解消型に当てはめて考えると、「いつもお世話なって申し訳ないなぁ~、悪いなぁ~」って、母はいつも思っているってことですよね。

3.老化拒否型

これは文字通り、「老いを認めない」というタイプです。認知症でなくても、老いを認めない人は相当数いますよね。何かうまくできないと物のせいにしたり、他人のせいにしたりして、老いを認めないというものです。字がうまく書けなければ、ペンが悪い!紙質が悪い!という感じです。

また年齢を聞くと、妙に若い年齢を言ったりしますよね?あれもこのタイプなんじゃないかと。母も亡くなった祖母も、割と若い年齢を言いがちです。老化拒否が妄想の根底にあるのかもしれません。

以上3つが本で紹介されているものですが、我が家特有の型もありますので4つ目としてご紹介します。

<番外編>4.自慢型

劇的ビフォーアフターって、番組ありますよね?家の問題をリフォームで解決するあの番組ですが、母は必ずこう言います。

「これ前に見たやつだ!」

確かに再放送も多い番組ですが、新しい回のものもわたしは見た!と知ったかぶるし、自慢します。外食に行くと、どの店に入っても

「前にここに来たことあるよね?」

と言います。わたしは初めから知っている、すでに体験済みという自慢気な振る舞いをやたらするんですが、実際は初めてだし、未体験なんですよね。自慢気な振る舞いをすることで、自尊心を保とうとしているのかもしれません。

ここまで、妄想の種類をご紹介してきましたが、妄想の理由や背景が見えると、少しラクな気持ちになりませんか?人間の本質が、表面に現れているんだなということが理解できますし、何より理由が分からない事が不安だったりしませんか?それが理解できることだけでも、少し介護者として落ち着くことができます。

今日もしれっと、しれっと。

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くどひろ
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」を運営する息子介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護。 2013年3月に介護退職し、現在も東京と実家を年間20往復中。認知症サポーター、成年後見人経験者。『ひとりで抱えず、人に頼る。情報発 信し、同じ境遇の人をラクに!』をモットーに、しれっと介護中。著書「医者には書けない!認知症介護を後悔しないための54の心得」「医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得」
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