コウノメソッドで見るサプリメントを活用した認知症治療

コウノメソッドでは、認知症治療において健康食品であるサプリメントも活用しています。サプリメントに関しては、医師はもとより、一般の人たちの中にもその効果に懐疑的であったり、使うことに抵抗を感じる人が少なくありません。そんな中、なぜサプリメントを活用するのか、どのような効果があるのか、解説したいと思います。

過去記事:認知症は治る!近所のお医者さんも実践できるコウノメソッドとは?

なぜ認知症治療にサプリメントを活用するのか?

残念ながら、あなたがもし、サプリメントの処方について主治医に相談しても、期待外れのことが多いと思います。多くの医師は、効能成分が明確でないサプリメントに対して否定的です。実際、サプリメントは医薬品ではなく健康食品であり、世の中に流通しているサプリメントの中には、効果の怪しいものも存在します。私自身も、当初はサプリメントの効果に対しては半信半疑でした。

ところが、臨床で用いてみると、薬以上に効果があることが分かり、大変な驚きを覚えました。以来、サプリメントの活用はコウノメソッドの三本柱の一つになっています。私たちが主に活用しているのは、米ぬかに含まれるフェルラ酸とガーデンアンゼリカ(西洋トウキ)が配合されたサプリメント「フェルガード」です。ただ、いまだになぜ効くか明確に説明できません。一口に抗酸化作用といわれても、やはり私は患者を改善させてゆくミクロの世界が見えてきません。それでも私は認知症にサプリメントを使います。理由は、保険薬より安全で改善率が高いからです。

漢方薬に含まれることの多い甘草は低カリウム血症をおこしうるのですが、サプリメントは電解質を揺さぶることはなく、極端に高用量の場合は、食事中の栄養素の吸収を阻害しうるとは言われるため栄養補助として使うのは考え物ですが、治療となると保険薬に比べればはるかに安全ですのでぜひ使えばよいと思っています。

「フェルガード」とは?

「フェルガード」は、コウノメソッドを実践する上で欠かせないサプリメントです。フェルガードは、次のような成分によって構成されています。

1.米ぬかなどに含まれる「フェルラ酸」(F)
2.ヨーロッパの伝統的ハーブ「ガーデンアンゼリカ」(G)
3.インドの伝統的ハーブ「バコパモニエラ」(B)

さらに、この成分の含有量によって次のような種類が分かれています。

種類 フェルラ酸(F) デンアンゼリカ(G)
NewフェルガードLA 100mg 100mg
フェルガード100M 100mg 20mg
フェルガード100Mハーフ 100mg 10mg
フェルガードB 100mg 0mg

※上記は1包または1粒あたりの配合量の目安
※フェルガードBには、「ガーデンアンゼリカ」(G)が含まれない代わりに、「バコパモニエラ」(B)が配合されている

フェルガードの成分のうち、興奮性があるのはガーデンアンゼリカです。嚥下障害や、歩行を改善させるには、ガーデンアンゼリカが多く必要なので、「NewフェルガードLA」を使用します。

一方、怒りっぽい患者(ピック病)やアルツハイマー型認知症を予防したい人は、「フェルガード100M」を1日2~3本使用します。「フェルガード100M」の便利な点は、調整系であるために易怒の患者を落ち着かせ、陰証の患者が元気にさせるという「医者いらず」の作用があることです。5歳前後の幼児(自閉スペクトラム症)や認知犬、認知猫にも100Mを1回半分にて使用可能であり高い改善が期待できます。

「フェルガードB」は、発語をさせたい場合やG系が効かない場合に使います。また、アリセプト(ドネペジル)が効かないアルツハイマー型認知症にもフェルガードが効き得ることはわかっています。

実際の改善例

フェルガードが効いた方の中で、一番早く効いた患者は55歳のピック病で、はじめて「フェルガード100M」を2本を服用して、4時間後に劇的に改善効果が出ました。ほかにも翌日や、2日後に効いた患者も少数ではありません。平均して40日までに変化がわかることが多いですし、効果を実感できないケースもあります。しかし、入院などで中止したら急に記憶が落ちたという話は、認知症治療薬同様聞かれます。

精神科の病院で保護室入院中に「抗精神病薬を減らしてほしい」と家族が頼んでも、減らしてもらえず、面会のときに「フェルガード100M」を2~3本を毎日服用させていたら退院できてしまったというケースは、実は複数あります。もちろん私はそのような指示はできず、家族の判断でおこなうのですが。「フェルガード100M」は、おそらく抗精神病薬の副作用まで整理してくれて、医師が患者のよい変化に気付いてくれれば薬を減らしてくれることにもなります。ですからコウノメソッドのピックセット(ウインタミン+「フェルガード100M」)の組み合わせは、いずれウインタミンは必要なくなるという組み合わせなのです。

医師や介護者が服薬するケースもある

ちなみに、私が「フェルガード100M」を服用し始めたきっかけは、坐骨神経痛(一時は歩けないほどでした)が消えると英会話で有名なあのウイッキーさんに聞いたことでした。すぐに鍼灸院に行く必要はなくなりました。6年たった今でも少しお尻が重くなったら(痛くなる予感があったら)大目に飲みます。他の効果として睡眠は深くなり朝の目覚めはきわめてさわやかです。

また、日頃「フェルガード100M」を服用していた当院スタッフが吐き気がするほど強い背部痛に対して、一度「NewフェルガードLA粒タイプ」にかえたとたん、最初の1錠で治ってしまったこともありました。このスタッフはかつて五十肩がプロルベインDR(血行促進作用)ですぐに治ったこともあり、サプリメントの種類や強さを自分の病状に合わせることがいかに大切かを思い知らされました。

私も時々「NewフェルガードLA粒タイプ」1個を飲むのですが、2日くらい仕事し続けられるような気がします。駅の自動販売機で栄養ドリンクを飲むより効くのではないでしょうか。ですから認知症患者さんだけでなく、介護で疲れたらあなたも、と介護者に助言するくらいです。

サプリメント活用にかかる費用のこと

フェルガードを服用するには、1か月に最低2750円必要です(100M粒タイプ1日2錠の場合)。費用が心配な方には、最初に多めに飲ませて反応するかどうかテストするという方法(急速飽和)があります。たとえばNewフェルガードLAを1日6本飲ませて1週間でなにも変わらなければ、フェルガードは効かない人なのかもしれません。

幸いなことに、フェルガードが効かなくても、ほかのサプリメントが効くというケースは案外あるものです。1か月の費用が2万円を超すようなら、サプリメントを変えるのがいいでしょう。ココナッツオイル、ヤマブシタケ、プロルベインDR(アカミミズ)、ビタミン・アミノ酸配合サプリなどで改善したという経験もあります。 

取り入れる際の注意点(家族向け)

サプリメントを取り入れるにあたって、私から家族の方に気をつけていただきたいポイントは下記です。

  • なんとなく体にいいだろうという感覚で漫然と飲むのはNG
  • 確実に効きそうなものを選び、本人の体と相談して研究する
  • 医師の助言も受けながら服用する
  • 1ヵ月2万円以下のコストで必ずよくなるという前提をもって検索する

根拠もなく「サプリメントなどやめてしまえ」というかかりつけ医の助言は、科学的な助言とは言えないので、よく考えて、よく勉強して自分を守っていだだきたいものですね。

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河野 和彦
1958年名古屋市生まれ。名古屋大学医学部大学院博士課程修了後、医療法人共和会共和病院老年科部長を経て、2009年より名古屋フォレストクリニック院長。新しい認知症ケア「コウノメソッド」の第一人者。認知症治療研究会副代表世話人も務める。代表的な著書に『完全図解 新しい認知症ケア 医療編』、『医者を選べば認知症は良くなる!』、『コウノメソッドでみる認知症診療』等、著書多数
介護のお仕事

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