前回、タッチケア(タッチセラピー)とは、「触れる」ことで認知症の不穏などの周辺症状を和らげるのに有効な療法とお伝えしました。読者の方から、「実際にどうしたら良いのか」、「簡単に本当にできるのか」といった疑問の声をいただきました。そこで今回は、実際に写真を見ていただき、こんな感じなんだ、自分にもできそうだと、よりタッチセラピーを身近なものと感じていただけたらと思います。
特別な技術は必要なし!タッチケアの方法
私が行うタッチセラピーに絶対これだこうしてくださいという決まりはありません。下記は、タッチケアの一例です。わかりやすくするために、経過の状態を1から6の順に並べてみました。
「手を握る」、「背中をさする」そんな日常にある普通の光景なので誰にでもできます。私にできるかな…とか、間違ってないかな…とか、考える必要はありません。とにかく寄り添って触れてみてください。
写真で見るタッチケアの効果
次に紹介する写真は左側がタッチセラピー前、右側が後になります。写真によって少し分かりづらいものもありますが、むくみが引いたり、全体の血流の状態が良くなっているのが分かると思います。
皮膚状態によりオイルを使わず、タオルをただ一枚かけたり、両手で包み温めるだけでこの状態まで改善されました。
写真を通して伝えたかった事
これまで、タッチセラピーを通して、お年寄り、時にはそのご家族、そして介護職員など、延べ1000人近くの人に触れてきました。続ける中で、ひとつ感じた事があります。
それは、「その人の体や心に寄り添えるかどうか」が一番大切だということです。
無理やり会話をしようと、相手に質問したり、聞いたりなくても、体が緩めば心も緩み、自分から声を発してくれたり体や表情で示してくれます。
触れることで、自分も癒やされるという相乗効果も
タッチセラピーは、相手の気持ちに寄り添う形で、ゆっくり、丁寧に、声をかけたり歌ったりしながら、触っていきます。
難しく「こうでなければいけない」と言う固定観念はちょっと横に置いておいて目の前にいる人のありのままを受け入れて否定しないことで自分自身も心の余裕が出てきます。タッチケアとは相手の心を癒すだけでなく自分自身も癒される相乗効果もあるんですよ。

なっちゃん

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