飲み忘れを9割防ぐ!認知症の服薬管理のコツ

【アイキャッチ】服薬管理

認知症の介護家族の多くがつまずく服薬管理。中でも、「飲み忘れ」や「飲み過ぎ」は、特に多い悩みの種の一つです。家族が日中働きに出ていたり、遠距離介護だったりすると、一日複数回の薬をきちんと飲ませるのは至難の業です。

我が家の場合も、認知症で独居の母は、決められた時に正しい用量のお薬を飲むことができませんでした。1年近く試行錯誤した結果、9割方きちんと服用できるようになりました。今回はベストな服薬管理に至るまでの1年の歴史を振り返ります。

1:使いやすいお薬カレンダーを用意する!

まず最初に試したのは、薬に直接日付と時間を油性マジックで記入する方法でした。1つ1つ記入して箱に入れたのですが、全くだめで、1か月経たないうちに運用中止となりました。

次にお薬カレンダーという、曜日と朝・昼・夜と書いたタペストリータイプのカレンダーを通販で購入しました。

ところがポケットと曜日の位置が母にはマッチせず、薬の飲み違いが起こりました。そこで薬剤師さんに見てもらい、新たに別タイプのお薬カレンダーに変えたところ、なんとか形になり始めました。

参照:本当に便利だった!認知症介護で使えるグッズ5選

介護のお仕事

2:デジタル電波時計をお薬カレンダーのそばに設置!

お薬カレンダーの曜日を見ても、認知症の母はピンときません。曜日感覚が怪しいのです。そこでお薬カレンダーの上に、絶対に狂うことのないデジタル電波時計を設置。さらに薬の包装に日付と飲む時間(例:8月20日朝)を手書きではなく、薬局で印字してもらいました。ここまで徹底した結果、

▼まずは、デジタル電波時計を見て、今の日時と曜日をチェック
▼続いて、薬に書いてある日付と朝・昼・夕をチェック
▼該当した薬を飲む!

というステップを、6割の確率で踏めるようになりました。

3:飲み終えた薬の袋は、お薬カレンダーに戻す!

6割の精度になっても、4割は間違えてしまう母。そこで訪問看護師さんのアイディアで、飲み終えた薬の袋を捨てずにお薬カレンダーに戻すというルールにしました。一見地味なこの方法ですが、自分がどこまで飲んだのか一目で分かるようになるという効果があって、一気に9割まで精度がアップしました。

↓改良後を重ねて完成したお薬カレンダーがこちら!

お薬カレンダー

4:訪問看護師、訪問薬剤師、ヘルパー・・・家に来る人をフル活用!

ここまでやっても、忘れるときは忘れます。また我が家のお薬カレンダーは1週間分×2枚しかセットできないので、誰かが定期的に薬を補充しないといけません。遠距離介護でわたしは補充できないので、訪問看護師さんに定期的に来てもらうようにしています。

またかかりつけ医のアイディアで始まった訪問薬剤師さんの存在は、目からうろこでした。まさか薬剤師さんが訪問してくれるなんて思ってもいなかったので、我が家の救世主となりました。我が家に一番来る回数の多いヘルパーさんにお願いしたかったのですが、制度上服薬を見守ることしかできないので、声掛けや服薬チェックだけをお願いしました。

5:複数種類のお薬はなるべく1包化する!

何種類ものお薬を飲むことが認知症の人には難しいので、できる範囲で包みを1つにするという方法もお薦めです。Aのお薬は飲んでも、Bのお薬は忘れるなんてことあります。そんな時に一包化しておけば、飲み忘れを防ぐことができます。

みなさまの1年近い試行錯誤のおかげで、今も9割近い精度でお薬を飲める体制になっています。お薬のチェックや補充の際に母の様子を見ていてくれるおかげで、遠距離介護が成り立っています。

今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどひろ)
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」など執筆を生業にする介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護からスタート。父(要介護5)も在宅介護して看取る。成年後見人経験者、認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。現在も東京と岩手を年間約20往復しながらしれっと遠距離介護中。

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