認知症の人が持つ「4つのプライド」にどう接すればいい?

【アイキャッチ】4つのプライド

人間誰しも「プライド」を持っていますが、認知症の人と接していると特に感じる「プライド」があります。今日は、認知症の家族を介護する上で感じた、4つのプライドと、そのプライドにどう接するかについて、お話します。

1.「認知症なんかじゃない!」というプライド

家族から見れば明らかに認知症でも、当の本人にはその意識がありません。

「私は認知症なんかじゃない」
という気持ちが強く、家族が勧めても病院に行くことを拒んだり、頑なに薬を飲もうとしなかったり。認知症介護する家族が最初にぶつかる本人の「プライド」がこれです。

介護のお仕事

2.「自分はなんでもできる!」というプライド

以前なら当たり前のようにできていた事も、認知症の進行によって出来なくなります。しかし、当の本人は「わたしはまだまだできる!」と思っているという「プライド」です。

母の場合は料理が得意だったのですが、認知症が進むにつれてレパートリーが半分以下になり、味付けや皮むきなどが雑になってきました。しかし当人はそういった意識はなく、まだまだ全盛期だと思っています。

3.「自分は若い頃、すごかった!」というプライド

特に男性に多いのは、

「おれは若い頃、××社に勤めてたんだ!」

「おれは部長で、部下が100人いたんだ!」

といったサラリーマン全盛期の思い出を強く持っていて、誇りに思っています。亡くなった祖母は男性のような働きっぷりだったので、勤めていた会社を褒めるととてもうれしそうに笑っていました。

4.「自分がした事を認めない」というプライド

認知症の症状で代表的な、もの盗られ妄想。自分でしまった物を忘れてしまい、他人のせいにしてしまうというものですが、完全に自分でしまった事を忘れています。自分がやってしまった事を全く認めないという「プライド」の典型例です。

認知症に限らず、どこかで自分のせいではないと思うのが人間ですが、自分への罪の意識が全くないのが特徴です。

「4つのプライド」への対処法

どの認知症の本にも、「プライド」は尊重しましょう、と書いてあります。認知症でなくても、プライドが傷つけられると人間誰しもイヤです。だから認知症であるなし関係なく、プライドは尊重すべきと考えます。人間歳を重ねると、だれでもプライドは高くなりますよね?

ただ尊重するのはいいのですが、同じ事が日々繰り返されると介護者はストレスに感じてしまいます。だから「プライド」を傷つけないように、指摘するようにしています。もの盗られ妄想ならば、ものが目の前にあればさすがに盗られたとは言いませんし、料理の味付けも本人に感想を求めれば、塩辛いということは分かります。

「あら、ここにあったわね」「ちょっとしょっぱいわね」

本人の口から言わせることで、本人のプライドは傷つきません。本人がまだ認識できるレベルならば、本人に気づいてもらうことは有効です。

腹が立っても、イライラしても「プライド」があるうちが華です。祖母が亡くなる直前はこういったプライドすべてがなくなって、どこか菩薩のようにも見えました。「プライド」が生きていく原動力にもなっているんだなと気づかされた瞬間でした。

今日もしれっと、しれっと。

関連記事:デイサービスに行きたがらない母親を前向きモードに変えた3つの方法

★くどひろさんの著書はこちら

★くどひろさんの記事をもっと読みたい方は…
ブログ『40歳からの遠距離介護』で読む!

The following two tabs change content below.
工藤広伸(くどひろ)
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」など執筆を生業にする介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護からスタート。父(要介護5)も在宅介護して看取る。成年後見人経験者、認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。現在も東京と岩手を年間約20往復しながらしれっと遠距離介護中。

編集部おすすめ記事

この記事を読んだ人にぜひ読んでほしい、その他の記事

介護のお仕事

新着記事

Facebookコメント