排泄介助を「苦手だなぁ」と思っている人へ ~うんちを◯◯に例えたら、お年寄りが笑った~

by なっちゃんなっちゃん 58418views
【アイキャッチ】排泄介助が苦手な人へ

初めまして、私は特別養護老人ホームで働く介護福祉士のなっちゃんです。介護という仕事は私の生活の一部です。そう語るまでには、様々なことがありました。そしてそう思わせてくれた出会いがたくさんありました。現役介護福祉士が看て聴いて触れた介護現場の本当にあったお話を伝えていければと思っています。

今回は、排泄介護のお話。家族の人も悩む人が多いこのテーマ、介護の現場で働く自分も、最初は「できればしたくない」ものでした。けれど今は、排泄介助、楽しんでやれています。私の考え方が変わった背景には、ある出来事がありました。

最初は、「トイレ行きたいねん」と言われるのが怖かった

お年寄りから「トイレ行きたいねん」と言われて「今は無理、オムツしてるから」としか返答できなかった新人時代。「上司に『トイレに行きたい』と言われてるんですが…」と伝えるも、「いつものことやから、毎回聞いてたら仕事が回らんし、後でいいから」そんな言葉が職場で当たり前のように飛び交っていました 。でも、その時の私は、その上司の指示に従う事しかできず、お年寄りの「ねーちゃん」の呼びかけにも、「すいません、今は行けないんです。」と言うしかありませんでした。「ねーちゃん」と言われるのが怖くて、目を合わせないように、背を向ける――そんな、新人時代でした。

トイレでの「ごめんな」の言葉に胸が張り裂けそうになった

少し仕事も慣れ、「ねーちゃん」の言葉に上司の言葉に従わず、トイレに一緒に行ったことがありました。トイレに行き、ズボンを下げ、パンツを下げると、便まみれの状態でした。「ねーちゃん、ごめんな」の表情は今でも忘れられません。その時、介護士としての自分が、情けなくなりました。“ごめんなさいは私の方だ。トイレを我慢させなければ、便まみれになることも、ごめんなと言わすこともなかったのに・・・”そう自分を責めました。

私が向き合うのは、職場の上司ではない

これをきっかけに、自分自身の介護に対する考え方を変えました。“私が向き合っているのは、目の前にいるお年寄りであって、職場の上司ではない。お年寄りがその人らしくいられるように、支えられるようになりたい。”それから、行動も変えました。出来る限り、排泄に関しては、個別にすぐ対応できるように心がけました。「トイレで失敗したくない」というのは、誰もが持っている強い思いだからです。結果、失禁や便で汚すことも減り、介護に余裕ができるようになりました。なによりお年寄りの笑顔が増え、私自身も笑えるようになったのが、大きな変化でした。

うんちが出たら、「元気な子が生まれましたよ!」声がけ次第で、お年寄りは笑ってくれる

便が出たら、お年寄りは「ごめんね」と言います。最初から、違和感がありました。食べたら出す。それは、生きてる証拠です。私も、食べたら出しますし(笑)。お年寄りの罪悪感を、すこしでも無くしたくて、大量に便が出たときに「元気なこが生まれました!」と言ってみたら、笑ってくれたのです。それからは、軟らかめだと「可愛い女の子ですよ」、硬めだと「元気な男の子ですよ」と、表現方法を変えて色々と試してみました。すると、そのうち「ごめんね」が消えたのです。同じ便でも、伝え方や言葉でこんなにも違うのだと教えられた瞬間でした。

お座りするうんち

『排泄』と言うデリケートな部分に関わる際に、相手の羞恥心やプライバシーの配慮をどうすればいいのか悩んだ時に、「こんなこと言ってる人がいたな」と思い出していただけると幸いです。

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なっちゃん

なっちゃん

1978年生まれ。高校を卒業後、病院の看護助手から始まり、現在は老人保健施設の認知症フロアを担当。休日には癒しを頂きにタッチセラピーのボランティア活動を行っています。保有資格は、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)、介護職員基礎研修、介護福祉士、福祉用具専門相談員。
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