認知症の「要介護度」と 介護の「大変さ」 は全く比例しない件

【アイキャッチ】要介護と大変さ

介護を必要とする程度を「要介護度」という区分を使って、分類することは皆さんご存知かと思います。要支援1~2、要介護1~5、非該当まで含めると8区分になります。

要支援1 日常生活はほぼ自分でできる。要介護状態に至らぬよう支援が必要。
要支援2 日常生活に支援が必要だが、要介護に至らずに機能が改善する可能性が高い。
要介護1 立ち上がりや歩行が不安定。日常の中で排泄や入浴などで部分的な介助が必要。
要介護2 自立での立ち上がりや歩行が困難。排泄や入浴などで一部または全介助が必要。
要介護3 立ち上がりや歩行が自立できない。排泄や入浴、衣服の着脱などで全面的介助が必要。
要介護4 排泄、入浴、衣服の着脱など日常生活で全面的介助が必要。日常生活能力の低下がある。
要介護5 日常生活において、全面的な介助が必要であり、意志の伝達も難しい

亡くなった祖母は要介護3(認知症)でした。母は元々は要支援1でしたが、認知症と分かってからは要介護1までランクアップしました。
介護度で見ると祖母の介護が大変で、母の介護はラクという事になりますが、決してそんな事はないよというのが今日のお話です。

認知症介護の「大変さ」は他人と比較しづらい

医療関係者や介護職の方とお話していると、

「40kaigoさんのお母さん、他の人と比較してもいい方ですよ」

と言われる事があります。看護師さんやヘルパーさんは、要介護5の認知症の方を見ているので、要介護1の母の症状が軽く見えている事は分かります。

わたし自身も、要介護3だった祖母と要介護1の母を比較することができたので、母の症状が軽い事は理解できたのですが、このようなケースはそう多くはありません。家族は、他の認知症の方と接する機会はあまりないので、常に目の前のひとりと向き合う事になります。その症状は人によって千差万別で、他の人と比較されても、あまりピンとこないのです。

また、認知症の介護経験が浅い場合は、いろんな事に戸惑ってしまい、症状が軽くとも介護が大変に思えます。同じ話を何度も聞かされたり、目を離せなかったり、それまで当たり前だった自分の生活のペースを介護によって制限されてしまう大変さは、慣れるまでは非常にストレスがかかります。

他人との比較ではなく、介護者と当人との関係で大変さは決まるのです。

要介護度が低い方が、「期待」する分、労力を使う

一般的には要介護度が高い方が、症状が重いために介護の大変さも増すと考えられています。しかし、要介護度という単なる数値では測れない事がたくさんあります。

「要介護1だから、まだ介護はラクよね~」

と言われる事もありましたが、決してそんな事はありません。介護度が低いなりの苦労というのもあるのです。

介護度の低い人には、期待があります。まだ症状が改善するのでは?何か手があるのでは?そう思いながら、介護をします。要介護1の母は、何度か同じ事を言うと理解してくれる事もあります。そういう期待があるので、頑張ろう!という気持ちが芽生えます。

一方の要介護3の祖母は、何度説明しても病院を家だと思っています。理解できるレベルにはないので、仕方がないことだと割りきって、家だという前提で話を合わせて接します。

母には「期待」、祖母には「あきらめ」で接しているため、介護度の低い母には労力を使い、一方の祖母にはほとんど労力を使いません。介護度が低い母の方が、どちらかというと介護が大変でした。

認知症介護をする家族が必ずたどる「4つの心理ステップ」

介護度は単なる数値です。「介護度」と「介護の大変さ」は比例するわけではなく、介護者自身の認知症介護に対する経験値で大きく関わっています。

今日もしれっと、しれっと。

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くどひろ
1972年生まれ。ブログ「40歳からの遠距離介護」を運営する息子介護作家・ブロガー。祖母(要介護3)と母(要介護1)のW認知症&遠距離介護。 2013年3月に介護退職し、現在も東京と実家を年間20往復中。認知症サポーター、成年後見人経験者。『ひとりで抱えず、人に頼る。情報発 信し、同じ境遇の人をラクに!』をモットーに、しれっと介護中。著書「医者には書けない!認知症介護を後悔しないための54の心得」「医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得」
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