認知症を発症した原因は度重なる引っ越しだったのかもしれません

by なななな 6079views
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こんにちは、働きながら認知症の母を介護している、ななです。
第一回コラム:仕事と介護を両立!ワーキング・ケアラーななの認知症介護日記はじめます!

「高齢になってから引っ越しをするのは良くない」と一般的には言われています。若いころと違って適応能力が下がっていて、新しい環境になじむまで時間がかかるからです。母が認知症を発症したのは、高齢になってからの度重なる引っ越しが一因だったのかもしれません。

母は結婚してから70歳頃までほとんどずっと同じ市内に住んでいて、住み慣れた場所で近所付き合いも多く、楽しく過ごしていたようでした。70歳を過ぎたころ、母が体調を崩したことをきっかけに、私と同居するため東京に引っ越しました。体調を崩したといっても、身の回りのことは自分でできていましたし、発作さえ起きなければ、ほとんど普通に生活できていました。また、もともと社交的な人なので、新しく引っ越した先でもすぐに友達ができて、全く心配していませんでした。

私の引っ越し好きが、知らない間に母を追い詰めていた?

私はわりと引っ越しが好きなほうで、賃貸契約のたびごとといえるくらいの頻度で引っ越しをしていました。新しい環境に身を移すことで心機一転リフレッシュする、あの感覚が好きだったのです。

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ただ、母にとっては良くなかったのかもしれません。最初のうちは、「引っ越しなんてワクワクするわね」と私に付き合って楽しそうにしていた社交的な母でしたが、さすがにだんだんと、新しい土地で新しく友達を作るのが難しくなっていたようです。

ただ、当時の私は母のそんな変化にまだ気づいていませんでした。同居しているとはいっても、平日は残業も多く、夜遅く帰ることがよくありました。休日は出かけることが多く、母と一緒に食事をすることはあまりありませんでした。母もよく友達と出かけたりしていたようでしたので、特に気にもしていませんでした。

振り返ると、慣れ親しんできた部屋を離れ、全く違う環境に身を置くことで、近所付き合いも少なくなり、さみしい思いをさせたことが認知症になった一因ではないかと、今になってとても後悔しています。

焦げた鍋底、いくつも買ってくるレトルト食品。初期症状のサインは現れていた

そんなある日のことです。焦がして底が真っ黒になった鍋を見つけました。「どうしたんだろう?」とは思いましたが、もともと料理が得意で、それまでそんなことは一度もありませんでしたから、その時は「大丈夫?危ないから気をつけてよ。」とひとこと言っただけでした。

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また、ちょうどその頃から、スーパーで同じものをいくつも買ってくるようになりました。一番多かったのは、レトルトパウチの中華の素でした。料理上手な母は、それまであまりそういったものを買うことがありませんでした。それに、使いきれていない中華の素が家に大量にあるのに、なんでまた買ってきちゃうのかな、と不思議に思っていました。中華の素が常に家に20~30個もあるので、賞味期限が切れる前に食べなくちゃ、と、麻婆豆腐やチンジャオロースをしょっちゅう食べていました。幸いだったのは、買ってくるものが、日持ちのしない生鮮食品や野菜ではなく、ある程度保存のきく食品だったことです。

認知症の最も特徴的な症状である物忘れは、こうして少しずつ出始めていたようです。ただ、認知症に対して全く知識のなかった私は、それが認知症だとはまだ気づいていませんでした。家事も買い物も普通にできていましたし、電車やバスに乗って、ひとりでかかりつけのお医者さんに行ったり、友達と出かけたりもよくしていました。鍋焦がしの一件と中華の素の大量買いはありましたが、それほど重大なこととは思っていませんでした。私が不審に思うようなことは、この頃にはまだなかったのです。

今だから言える!当時の自分にアドバイスをするなら・・・

認知症の知識もある程度勉強して身につけた今の自分は、「あの時こうしておけばよかった」という気持ちがあります。例えば、

  • そもそも、むやみに引っ越しを何度もしない
  • 引っ越しをする時は、母が大事にしていた家具や使い慣れた食器、雑貨類などできるだけ前の家で使っているものを持って行く
  • 引越し先の地域の老人クラブや地域の集まりを紹介してもらったり、なにかしら人間関係が触れ合えるような場所を調べてあげる
  • 引越し後は一緒に家の周りを散歩して、新しい土地に慣れやすいように働きかけてみる
  • 週に何度かは仕事後に顔をみて一緒にゆっくりごはんを食べたり、お茶を飲んだりする

などです。この記事を読んでいる人で、今後、高齢の親を巻き込んだ引っ越しを考えている方がいらっしゃれば、参考にしてもらえると嬉しいです。

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なな
会社員として働きながら、同居の母(アルツハイマー型認知症:要介護4)を在宅介護している。1971年生まれ。「親の介護は誰にでも起こりうる。だから、もっと多くの人に関心を持ってほしい。親が認知症になったって人生終わりじゃない。貴重な人生経験。」との想いから、ブログ「親が認知症になったら、どうする?」をゆるーく運営中。
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